2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンプトンカメラによる植物体内の複数物質同時イメージング技術の開発
Project/Area Number |
22688021
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河地 有木 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70414521)
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Keywords | 植物栄養動態 / イメージング / 多元素同時計測 / コンプトンカメラ |
Research Abstract |
シリコンおよびテルル化カドミウム半導体検出器を基盤としたコンプトンカメラで植物イメージング実験を実施するため、前年度の冷却システムの導入によって実現した温度管理下において、カメラ自身のRIイメージング性能の評価を行った。具体的にはカメラ正面300mm x 300mm 300mmのエリアの感度、空間分解能、エネルギー分解能の分布を評価した。様々なエネルギー領域のガンマ線を放出するポイント線源を用いた評価試験の結果をもとに、撮像プロトコル、撮像対象のサイズといった、実際に植物体を用いた実験計画の立案に反映させていく予定である。植物の多様な代謝、生理機能や環境適応のシステム的理解を目的とした実験を実施するには、「植物が生きたまま」での非侵襲的イメージングを実現しなければならない。そのため、環境条件を制御でき外部から撮像できるような、小型の植物育成庫を導入した。 さらに来年度も引き続き、制御・処理電子回路に専用のアナログ集積回路による制御を検討しさらなる撮像能の向上を試みた。低エネルギー領域でのしきい値を精密に調整することで、100~200keV領域の感度が向上した。コアテクノロジーであるシリコンおよびテルル化カドミウム半導体放射線検出器部に変更点はないが、植物研究用に新たに設計した筐体デザインや撮像対象の視野内への設置、トレーサ投与量の最適化するため、GEANT4ツールキットを用いたモンテカルロシミュレーションを実行し、亜鉛、511keV放出核種、セシウムといった植物実験候補となるトレーサの投与量等を見積もることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置の整備はほとんど終了し、今後実際にトレーサを用いた植物実験を実施していく環境が整いつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に植物実験を実施する予定である。トレーサは亜鉛溶液、511keV放出核種溶液が有力であり、社会情勢を踏まえCs-137溶液も候補として挙げられる。昨年の評価試験の結果、各性能値が得られたが、測定条件によってそれらが変動するなどイメージング装置としての不安定な面が見られ、注意が必要である。標準線源を用いたチェックを必ず実施するなどの対応を考えている。
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[Presentation] Substantiative Experiments of Distortion Correction for Novel Si/CdTe Compton Camera2011
Author(s)
Naoki Kawachi, Mitsutaka Yamaguchi, Yuto Nagao, Nobuo Suzui, Shu Fujimaki, Tomihiro Kamiya, Hirokazu Odaka, Motohide Kokubun, Shin'ichiro Takeda, Shin'nosuke Ishikawa, Shin Watanabe, Tadayuki Takahashi, Kota Torikai, Hirofumi Shimada, Kazuo Arakawa, Yoshiyuki Suzuki, Takashi Nakano
Organizer
2011 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference
Place of Presentation
Valencia Convention Center (Valencia, Spain)
Year and Date
2011-10-25