2012 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成に関わるオートファジー(自食作用)の新たな生理機能の解析
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22688022
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
塚本 智史 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究基盤センター, 技術員 (80510693)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | オートファジー / 精巣 / 精子形成 |
Research Abstract |
精子形成の最終段階は変態(精子完成)と呼ばれ、精子頭部への先体の形成、尾部へのミトコンドリアの再配置、べん毛の伸長そして余分な細胞質が除去され、精子は結果的に非常にユニークな構造となる。本研究では、リソソームを介した細胞質成分の大規模な分解系であるオートファジーの精子形成過程における生理機能を明らかにすることを目的とした。これまでの研究からオートファジーは精子完成過程で活発に起こることが明らかとなった。実際にこの時期のオートファジーを特異的に欠損するノックアウトマウスは週齢依存的に不妊になることが分かった。その後の解析から、このノックアウトマウスの精細管には不要な細胞質成分から構成される異常構造体の蓄積が認められた。これらの結果は、オートファジーが精子完成過程に深く関わっていることを示唆していた。しかし、なぜオートファジーが働かないと週齢依存的に不妊になるのか、その原因はよく分からなかった。そこで本年度は、精子形成過程を詳細に分類しながらオートファジー不全が精巣機能に及ぼす影響について多面的に解析を行った。まず、酵素処理とBSA密度勾配法を組み合わせた方法によって、精巣からそれぞれのステージの精細胞を分離して分離した細胞ごとにオートファジー不全が及ぼす影響を調べた。その結果、精子幹細胞や精母細胞の機能は正常だが、精子細胞以降でオートファジー不全がその機能に影響を与えていることが明らかとなった。次に精巣や精子タンパク質を使って二次元発現解析を実施した。その結果、ミトコンドリア機能に関連するタンパク質がオートファジー欠損下で発現量に差が顕著に見られた。現時点ではこれらのタンパク質の発現異常と精子完成過程におけるオートファジーの生理機能の関連性は説明出来ないが、精子完成過程におけるミトコンドリアの品質管理にオートファジーが関わっている新たな可能性を示唆しているかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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