2012 Fiscal Year Annual Research Report
犬・猫の造血系腫瘍の分子病態に基づく予後評価法の確立とテーラーメイド療法の開発
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22688026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤野 泰人 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70401180)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リンパ系腫瘍 / 肥満細胞腫 / 微小残存病変 / 分子標的療法 / 予後解析 |
Research Abstract |
本研究の目的の一つである「リンパ腫の分子病態に基づく微小残存病変(MRD)定量による治療効果判定・再発予測法の確立」に関する研究成果としては以下の状況である。これまで、犬において発生頻度の高いB細胞性高悪性度リンパ腫に対して、多剤併用化学療法による治療経過中にMRDを測定し、個々の抗癌剤の客観的かつ詳細な効果判定法としてMRD測定が極めて有用であり、抗癌剤の種類によって効果に有意差が生じること示した。さらに、MRDの経時的変化が症例の詳細な予後にどのような影響を及ぼすかについて、臨床症例を蓄積し、臨床経過に応じてグループ化して解析を進めている。症例の治療効果判定および予後評価に有用であることは間違いないが、具体的にどのように解析し、どの段階で評価することが臨床的に最も有用であるかを検討中である。一方、犬のB細胞性高悪性度リンパ腫におけるBCL6遺伝子発現および蛋白発現パターンを解析し、ヒトのBCL6(-)B細胞性リンパ腫との類似性を明らかにした。さらに、猫のリンパ腫におけるジーンスキャンによる新規遺伝子クローナリティ検査法を確立することに成功するとともに、p53遺伝子変異の有無とMDM2阻害剤の抗腫瘍効果の関連性を明らかにした。 また、本研究の目的の一つである「肥満細胞腫におけるTK遺伝子変異・リン酸化解析に基づく治療効果判定・予後予測法の確立」に関する研究成果としては、異なるc-kit塩基配列を有する犬の肥満細胞腫に対して、臨床的に使用可能であるTK阻害分子標的薬による抗腫瘍効果を解析し、c-kit塩基配列により効果を示す薬剤および薬用量が異なることを明らかにした。今後はc-kitの変異、他のリン酸化関連遺伝子、腫瘍の病型などの多面的な因子が症例の予後に及ぼす影響についてもさらに検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ腫および肥満細胞腫の両疾患における研究は、ほぼ予定していた計画通りに成果を示すことができており、学会報告や国際学術雑誌への掲載も順調に遂行されている。しかし、当初の計画で予定していた研究費が減額配分されており、研究費が不足していることが問題点である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画が減額配分された研究費により遂行可能かどうかを再検討しなければならない。学術的および臨床的に有用な成果を示すためには、現在の研究推進状況を維持するべきであると考えられるが、細かい点においてさらなる研究経費の節約を実施していく予定である。しかし、それでも研究費が不足する場合には、研究規模の若干の縮小も検討しなければならない。
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Research Products
(30 results)