2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22689001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有澤 美枝子 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50302162)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 平衡制御 / ロジウム触媒 / 単結合メタセシス反応 / 有機イオウ化合物 / ヘテロ元素捕捉剤 / 平衡相関 / イオウ単体 / C-H活性化置換反応 |
Research Abstract |
適切なヘテロ元素捕捉剤を用いる平衡制御法を継続して検討した。今回、フタルイミドC-N結合とチオエステルC-S結合及び酸フッ化物C-F結合間の相互変換反応が平衡反応であることを見出した。窒素、イオウ、フッ素原子の捕捉剤を工夫して、基質を過剰に用いることなく平衡移動できた。一連の研究によって、チオエステル、芳香族エステル、酸フッ化物、アシルホスフィン、アシルフタルイミド、ベンジルケトンの平衡的アシル基転位反応がロジウム触媒的に進行することを示した。 有機イオウ化合物合成に関して、前年度、イオウ単体を用いてポリフルオロベンゼンのスルフィド化反応を明らかにした。これを基に、芳香族スルフィドAr-S結合切断を伴う変換反応を開発した。ロジウム触媒とトリイソプロピルシラン存在下、芳香族スルフィドに芳香族フッ化物を反応させると、アリール交換により新たな芳香族スルフィドを与えた。Ar-S結合切断を伴う芳香族スルフィド合成はこれまで報告がなく、本法は新しい非対称芳香族スルフィドの合成法である。一連の研究によって、イオウ単体をイオウ源にして対称芳香族スルフィドを合成した後、触媒的アリール交換反応によって様々な非対称芳香族スルフィド合成が可能であることを示した。 また、ロジウム触媒存在下ヘテロアリールメチルケトンCO-C結合とヘテロアリールエーテルC-O結合間の交換反応が進行して非対称ジヘテロアリールメタンを与えることを見出した。本法は、電子不足及び電子豊富な種々の複素環を有するヘテロアリールエーテル及びヘテロアリールメチルケトンに適用でき、多様な非対称ジヘテロアリールメタンを効率的に合成できる。 本研究によって、遷移金属触媒反応と平衡を組み合わせる新しい有機合成反応を多数開発し、C-H結合活性化置換反応や単結合メタセシス反応を利用して、平衡制御しながら種々の有機イオウ化合物の合成を実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)