2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺血管標的及び透過型DDSを目的としたナノ粒子のインビボ細胞内動態制御法の確立
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22689002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (80344472)
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Keywords | 肺 / 遺伝子・核酸デリバリー / 細胞内動態制御 / トランスサイトーシス |
Research Abstract |
多重パッケージング法の確立に関して、内膜の膜枚数制御を行うために、遺伝子とポリカチオンの凝集体コアをテトラエチレングリコール修飾コレステロール(TEG-Col)含有脂質膜でコーティングした。また、本MENDを2枚目で封入する際には、1枚膜MENDの空リポソームからの精製と長期保存を行うための凍結乾燥技術を確立することが重要である。スクロース密度勾配遠心を行うことにより、遺伝子封入ナノ粒子の精製を行い、さらに本MZNDを凍結乾燥する上で至適なバッファー条件を見出すことに成功した。また、本精製後のMENDは、1枚膜で覆われていることは、電子顕微鏡観察により明らかとした。また、2段階目の封入法の確立についても検討を行った。内膜にビオチン修飾を施し、2段階目のパッケージングに伴うアビジンの内膜への結合阻害効果を指標にパッケージングを評価する方法論を確立した。 また、外膜の検討として、肺血管内皮を標的化可能な新規リガンドを探索した。本リガンド修飾リポソームに遺伝子を封入しても、初期の検討においては遺伝子発現がほとんど認められなかったが、細胞内動態(特にエンドソーム脱出)の改良により、in vivo静脈内投与によって効率的な遺伝子発現を示すナノ粒子を構築することに成功した。さらに、本粒子に対して、siRNAを封入することにより、肺血管内皮細胞における効率的な血管投与型遺伝子ノックダウンシステムを構築することに成功した。さらに、新たに脳への標的化リガンドについても探索し、レプチン由来ペプチドが脳毛細血管内皮細胞標的化に有用である事を見出した。 細胞内動態の観点からは、リアルタイムイメージングシステムにより、ナノ粒子の細胞質輸送過程を定量的に評価する技術を確立した。
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