2012 Fiscal Year Annual Research Report
天然物を基盤とする包括的な抗薬剤耐性菌薬のリード創出研究
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22689004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60333621)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抗菌剤 / 有機合成 / 天然物 / 薬剤耐性 / 創薬化学 |
Research Abstract |
本申請研究は、天然物を基盤とした新規抗薬剤耐性菌薬のリードを創出を目的とするものである。同一の作用機序を有する抗菌活性天然物を包括的に合成し、抗菌スペクトルを拡大と、論理的なドラッグデザインによる積極的な構造の単純化を行い、天然物の低分子化をはかることとした。まず、グラム陽性菌に活性を示すムライマイシンは、高ジアステレオ選択的なC-Hアミノ化反応とUgi反応を用いて、グラム陰性菌である緑膿菌に活性を示すパシダマイシンは、クロスカップリングによるエナミド構築を用いることで、それぞれ初の全合成を達成した。ムライマイシンについては、各種誘導体を合成し、その抗菌活性を評価するしたところ、MRSAやVRE等の薬剤耐性菌に対しても有効である事がわかった。さらに活性に必要ではない置換を決定する事ができたうえに、標的酵素であるMraYに対してnMレベルの阻害活性を有する誘導体を見いだす事もできた。ムライマイシンについては、活性を保持しつつ分子量を約3分の2に低減する事ができた。カプラザマイシンについては、各種部分構造欠如誘導体の構造活性相関の検討と活性配座探索の結果を考慮して大胆な単純化を検討した。その結果、カプラザマイシンが有するジアゼパノン環と5′位のリボースの2つの構造を、1つのオキサゾリジンに集約した単純化誘導体が、カプラザマイシンと同等の抗菌活性を有するばかりでなく、MRSAやVRE等に対しても有効である事がわかった。この誘導体はカプラザマイシンと比較して分子量が約2分の1であり、大幅に分子量を低減する事ができた。 本研究を通して、従来の抗菌薬とは異なる作用機序を有し、薬剤耐性菌にも有効な抗菌剤シーズを取得する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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