2012 Fiscal Year Annual Research Report
PIPsとCa2+を軸にしたCaチャネル制御機構の解明
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22689006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 誠之 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80342640)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生理学 / イオンチャネル / PIP2 / 電気生理学 / 平滑筋収縮 / 血圧調節 / TRPチャネル |
Research Abstract |
(1)VSP刺激によるTRP電流とPI(4,5)P2のFRETによる定量的解析: 前年度までの結果から、ホスホイノシチド、特にPI(4,5)P2の減少がTRP電流の抑制機構に重要な鍵を握っていることが示されてきた。 本年度はTRPチャネルと PI(4,5)P2の親和性算出を試みた。パッチクランプ法とPH-domainを用いたFRETによる同時測定を行い、TRPC3/C6/C7の3つのチャネルについて、それぞれ検討した。その結果、約0.7,2,10 μMと異なっていることなどを明らかにした。 (2)カルバコール刺激によるTRP電流とPI(4,5)P2のFRETによる定量的解析: より生理的な条件下におけるTRP電流の測定とPI(4,5)P2の測定を実施した。 両者の測定方法は(1)と同様に行っているが、この場合、ムスカリン性作動薬であるカルバコールやバソプレッシンを作用させ、PI(4,5)P2を生理的に分解させた。 受容体アゴニストの濃度を変えるなどして、様々なkineticsにおいてデータを取得。TRP電流とPI(4,5)P2の相関性を見るとともに、(3)のモデルとの適合性に用いた。 (3)PI(4,5)P2と連動したTRPC電流のモデル化: イノシトール代謝系の単純化モデルと、これに連動したTRPCチャネルのモデルを構築した。PI(4,5)P2濃度などと連動したイオンチャネルの制御システムをモデル化した。その後、(1)で決めたパラメータを導入し、モデルの最適化を施すとともに、未知の因子をモデルから産出、検討した。また、モデルにおいて予測される結果と実験的に得られたデータを検証し、モデルの整合性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PI(4,5)P2とTRPC電流の同時測定の系は構築するのに時間がかかった。然し一度セットアップができると、今まで殆ど未知であったTRPC電流とPI(4,5)P2が非常に連動していることなどが実験から明かとなった。 更に、モデルシミュレーションと比較しても遜色ない再現性の高い結果が得られた為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、PI(4,5)P2のみならず、TRPC3/6/7チャネルのアゴニストと考えられている、DAGとTRPC電流の同時測定を行う。このことで、より精度の高いシミュレーションを行うことが出来ると考えられる。また、細胞内カルシウムによる影響についても、検討を進めていくことで、全体像の理解につなげる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A human Dravet syndrome model from patient induced pluripotent stem cells.2013
Author(s)
Higurashi N, Uchida T, Lossin C, Misumi Y, Okada Y, Akamatsu W, Imaizumi Y, Zhang B, Nabeshima K, Mori MX, Katsurabayashi S, Shirasaka Y, Okano H, Hirose S.
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Journal Title
Mol Brain
Volume: 6
Pages: 19
DOI
Peer Reviewed
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