2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較可能な学校における喫煙対策の実態に関する全国調査研究
Project/Area Number |
22689023
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
神田 秀幸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80294370)
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Keywords | Global School Personnel Survey (GSPS) / 日本語版作成と翻訳の妥当性 / プレテスト |
Research Abstract |
当研究は、国際比較可能な、学校における喫煙対策の実態に関する調査としてGlobal School Personnel Survey(GSPS)をわが国で初めて実施し、国際基準にもとづいた方法による全国規模のわが国における学校での喫煙対策の実態を明らかにすることをねらいとする。平成22年度は、GSPS日本語版作成にあたり翻訳の妥当性の検討と福島県内中学・高校に在籍する職員を対象にプレテストを行った。 翻訳の妥当性の検討では、Brislinらの提唱する逆翻訳手法を用いた。まず滞米経験のある日本人研究者が英語原版を日本語に翻訳した。次に、英語原版を知らないバイリンガルの協力者が日本語に翻訳された質問票を英語に逆翻訳した。その後、英語原版と逆翻訳の比較検討を行った。英語原版、日本語訳、逆翻訳を比較しながら、質問項目を詳細に検討し、GSPS日本語版の試案を作成した。 このGSPS日本語版の試案を用いて、福島県内にある中学校50校・高校20校を無作為に抽出し、そこに在籍する職員(中学校1448人・高校1592人)を対象に質問紙調査を行った。回答から、中学校42校916人、高校19校939人を解析対象とした。結果として、国際的な比較を行うと、回答した学校職員の喫煙経験率は高いものの、現在の喫煙率は高くないことがわかった。また、教員の学校での喫煙に対しての認識や実際の規則は国際的に比較して高い水準であるが、生徒の学校での喫煙に対しての認識や実際の規則は低い水準であった。さらに、生徒への禁煙指導経験のある職員の割合が高く、青少年喫煙防止教育の教材は学校で入手可能である状態にあった。しかし、青少年喫煙防止教育の研修受講経験割合に関しては、高い割合ではなかった。但し、いずれの項目でも設問の表現により意見が分かれて回答された可能性があり、結果の解釈には注意が必要であると思われた。
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