2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較可能な学校における喫煙対策の実態に関する全国調査研究
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22689023
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
神田 秀幸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80294370)
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Keywords | Global School Personnel Survey(GSPS) / 中学校職員 / 全国調査 |
Research Abstract |
当研究は、国際比較可能な、学校における喫煙対策の実態に関する調査としてGlobal School Personnel Survey(GSPS)を用いて全国調査し、国際基準にもとづいた方法による学校での喫煙対策の実態を明らかにすることをねらいとする。平成23年度は、これまでに作成したGSPS日本語版を用いて、無作為抽出した全国の中学校に在籍する職員を対象に質問紙郵送調査を行った。対象学校は全国学校総覧より全国の中学校から130校を無作為抽出した。調査票の回収状況は、中学校は130校に依頼し79校(学校協力率60.8%)より協力が得られた。職員個別の質問票回収は、対象6570人に対して回収2385人(回収率36.3%)であった。このうち、無効回答48人分を除いた、2337人(有効回収率35.6%)を解析対象とした。 中学校職員における喫煙状況は、喫煙者は回答者の17.1%を占めた。学校内で職員の喫煙を禁じる規則が厳格に守られているかの回答結果では、完全に守られているという回答が51.7%ある反面、全く守られていないという回答は3.0%みられた。喫煙防止教育の研修や講習を受けたことがあるという回答はおよそ1/4程度にすぎず、受けたことがないという回答は7割を越えた。学校職員が生徒の喫煙防止や禁煙技術を習得すべきという回答は6割程度ある一方で、そうでないという回答は4割近くみられた。 結果から、全国の中学校職員の喫煙行動、喫煙防止教育の状況は国際比較して悪い状況にはなかった。しかし、比較国が新興国・途上国であること、また比較調査の調査年が2000年代前半であることを考慮すると、今回の調査結果が必ずしも良いと言い切れる結果ではないと思われた。今後、引き続き、広く学校職員が喫煙に関する知識や技術を習得され、学校職員が青少年の喫煙防止推進の一翼を担えるよう環境を整える必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初、計画していた無作為抽出した全国の中学校に在籍する職員を対象に質問紙郵送調査を行うことができた。全国から2000人を越える学校職員から回答があり、本研究より貴重なデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、無作為抽出した全国の高等学校職員を対象に質問紙郵送調査を行う予定である。平成23-24年度の結果から、わが国の中学・高校の職員の喫煙対策の実態を明らかにする。また学校自身および学校職員の喫煙対策の実態を国際的な比較を行うことによって、学校職員の喫煙に対しての改善策を他諸国の対策と比較し、わが国での対策に資することとする。
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