2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22689026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (10451999)
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Keywords | 心筋分化 / 心臓前駆細胞 / エピジェネティクス / クロマチン因子 |
Research Abstract |
本研究は、特定の細胞運命プログラムを理解し、分化誘導技術を開発することを趣旨としたものである。心臓は形・機能の異なった多くの細胞群が互いに協調的な連携をとることで構成された統合器官であるが、共通の前駆細胞からどのようなメカニズムで特定の細胞に分化していくのか明らかにされていなかった。研究代表者は特定細胞分化に関わる生理活性物質を発見し、この特異な機能を3つの観点(1;心房筋・心室筋特異的分化、2;心臓前駆・幹細胞分化、3;ペースメーカー分化)から理解することをテーマに掲げて研究を行ってきた。1に関しては、生理活性物質の発現量が心筋保持に重要であることが示された(Takeuchi., Nature Comms. 2011)。さらに、幾つか心房特異的、または心室特異的な因子をマウス胎生10.5~18.5日胚の心室と心房での遺伝子発現アレー結果から単離(神戸理研西川伸一教授との共同研究)しており、まずは心房特異的に発現する因子(8個)について組織化学解析を行なっていく予定である。2においては、心臓前駆細胞誘導候補因子を14個単離し、その後の解析結果によって本研究が評価され研究延長が約束され、別研究として独立させた(さきがけiPSと生命機能5年型)。3に関しては、現在特定因子の解析系としての開発が終わりES細胞からHCN4-RFPマウスを作製中である(Andy Peng Xiang教授;中山医大;広州、中国)。本年度中には、候補因子の単離を目指す。 上記の結果から候補となった因子の機能異常が引き金となって特定の細胞集団の機能異常を齎すのか調べるとともに、ヒト心疾患の原因も引き起こすとも考えられる。引き続き候補因子の詳細な発現パターン解析を行なっていく予定である。
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