2011 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトによるin vivoケトン体生合成機構の解明
Project/Area Number |
22689028
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中原 仁 慶應義塾大学, 医学部, その他 (60537950)
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Keywords | 脳代謝 / アストロサイト / ケトン体 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
神経疾患の治療や予防、或いは将来的な神経系の再生医療において、脳代謝の制御は重要な課題となる。昨今、脳の発生や再生、神経疾患の病態において、ケトン体が脳代謝の要として機能し、神経保護的に作用していることが示唆されている。他方、アストロサイトはケトン体代謝関連酵素を高率に発現し、in vitroにおいてケトン体を生合成することが示されている。本研究は、主にin vivoにおけるケトン体生合成を軸とした、脳総体におけるアストロサイトの機能的意義の解明を通じて、その医学的展開を目指すものである。この目的を達成するため、アストロサイトによるケトン体生合成をin vivoで評価する基盤となるモデルマウスを作出するべく、アストロサイト特異的にケトン体生合成を停止させたconditional KOマウスの作製を行った。具体的には、ケトン体生合成において中心的な役割を担う、mitochondrial HMG-CoA synthase(HMGCS2)を標的とした、loxP-[HMGCS2]-loxPマウスの作製を進めている。同マウスを、アストロサイト(GFAP発現細胞)特異的にCre recombinaseを発現する、GFAP-Creマウスを掛け合わせることで、アストロサイト特異的にHMGCS2をKOすることができ、即ち、アストロサイト由来のケトン体生合成を停止させたconditional KOマウスが作製できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
施設基準の不合致により、輸入購入したGFAP-CreマウスのSPF化のために、当該マウスの受精卵からの胚移植によるSPF化が必要となり、当該プロセスのために、当初計画が約1年弱遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
SPF環境維持の観点から、胚移植によるSPF化はtime and labor intensiveではあるが、同遂行し、当初計画通りに最終目標物である遺伝子改変マウスを作成し、解析を進める方針とする。
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