2012 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞マーカーNestinを標的とした膵癌新規治療の開発
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22689038
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松田 陽子 日本医科大学, 医学部, 講師 (20363187)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Nestin / 膵癌 / 分子標的治療薬 / 浸潤 / 転移 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
中間径フィラメントnestinは神経上皮幹細胞に発現するタンパク質として知られているが、神経以外の様々な幹細胞にも発現し、膵臓では膵外分泌前駆細胞に発現している。膵癌培養細胞にnestinに対するshRNAを遺伝子導入し、nestinの発現を抑制すると、細胞遊走、浸潤が著明に抑制され、逆にnestin過剰発現株では細胞遊走、浸潤が亢進した。さらにnestin抑制株では、マウス転移モデルにおいて著明な転移抑制が確認された。これらのnestinの機能にはF-actinやE-cadherinの発現が関与することが明らかになった (Matsuda, Cancer Biol Ther, 2011)。癌幹細胞を検討する方法の一つであるスフェア形成法を用いて検討したところ、nestin発現の程度がスフェア形成能に大きく関与していた。また、遺伝子発現の変化について網羅的に解析を行ない、nestinの発現がtranscription factor 4 (TCF4)の発現制御に関与することを明らかにした (Matsuda, AACR, 2012)。平成24年度は、ルシフェラーゼ遺伝子導入膵癌細胞をマウスの膵臓に移植し、nestinに対するsiRNAの尾静脈注射の効果を検討した。その結果、nestin siRNAを投与した群では、コントロー ル群に比べて、腹腔内転移巣の形成の抑制が認められた (AACR, 2013)。さらに、nestinの発現を制御する機構について、検討を行ったところ、nestin遺伝子のメチル化、およびPKRやAKTといった細胞内シグナル系の関与が確認された。今後さらに、nestinタンパク質の活性化(リン酸化)について研究を行い、nestinの機能を効果的に抑制する方法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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