2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22689042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 亨 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20301492)
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Keywords | 骨代謝 / RNAヘリカーゼ |
Research Abstract |
RNAヘリカーゼの一種であるp68は二本鎖RNAを巻き戻す作用の他、ERのコアクチベーターとして機能することが明らかとなっている。また最近ではp68が骨代謝に重要な影響を及ぼす因子であるBMPと協調的にmicroRNAの生成にも関与していることも報告されている。このように、p68はエストロゲンシグナルやBMPシグナル系を介して、骨代謝に作用する可能性が強く示唆されているが、その詳細は不明な点が多い。そこで本研究ではCre-loxPシステムによる細胞種特異的KOを作製し、KOマウスの解析から得られた結果を比較・検討することで、骨におけるp68の機能の解明を目指す。これらの成果は、骨代謝の新たな制御機構の解明と共に、骨関連疾患に対する新たな治療法確立への応用が期待できる。p68 floxマウス作製にあたり、まずinvitroにおいてp68が骨芽細胞分化に影響を与えるかについて解析を行った。マウス線維芽細胞由来MC3T3-E1細胞を用い、siRNAでp68をノックダウンすると骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼの活性が低下した。またp68と非常によく似た分子であり、RNAヘリケース活性を有するp72についても同様の解析を行ったところ、p72も骨芽細胞分化に影響を及ぼすことを明らかにした。また、p68を組織特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスの作製するため、トランスジェニックマウス用のベクターの作製を行った。本ベクターのCreリコンビナーゼ依存性発現を培養細胞系において確認したところ、Creリコンビナーゼ共発現時のみp68を過剰発現させることができることを確認した。この作製したベクターを用い、マウス受精卵へのインジェクションを行ったところ、数匹の組織特異的founderマウスの作出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな柱であるp68floxマウスの作出には至っていないものの、組み換えES細胞は同定済みであるため、作出は時間の問題である。また、invitroでの基礎的データやトランスジェニックマウスの作出が進んでおり、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はfloxマウスの作出を急ぐと共に、トランスジェニックマウスの骨組織の解析を先行して進める。トランスジェニックマウスの解析と同時進行でinvtro系での実験を詳細に詰める。 また、組織特異的ノックアウトマウスの作製に必要なCre発現マウスを入手する。
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