2011 Fiscal Year Annual Research Report
新生血管伸長方向の制御による網膜血管再生療法の開発
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22689046
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
植村 明嘉 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (30373278)
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Keywords | Sema3E / VEGF / 血管新生 / 内皮細胞 / RhoJ / Cdc42 / Arhgef15 |
Research Abstract |
我々は昨年度の研究にて、血管内皮細胞ではVEGF-VEGFR2シグナルが低分子量G蛋白質Cdc42を活性化し、細胞内アクチン分子の重合を促進するのに対して、Seme3E-PlexinD1シグナルがRhoJを活性化し、アクチン分子の脱重合を促進することを示した。したがって、VEGF-VEGFR2やSema3E-PlexinD1シグナルの下流で、Cdc42やRhoJの活性を調節する細胞内シグナル伝達分子は、新規創薬標的分子となりうることが期待される。本年度は、フローサイトメトリー法により精製したマウス網膜血管内皮細胞に発現する遺伝子をマイクロアレイ法にて網羅的に解析した結果、グアニンヌクレオチド交換因子Arhgef15が血管内皮細胞に特異的に発現することを同定した。また、培養血管内皮細胞を用いた研究により、VEGFシグナルによるCdc42の活性化が、Arhgef15により媒介されることを明らかにした。さらに、Arhgef15はRhoJの不活性化も誘導することにより、内皮細胞におけるアクチン分子の重合を促進し、細胞骨格の再構成を制御することが判明した。Arhgef15遺伝子ノックアウト(KO)マウスでは、野生型マウスに比較して、網膜血管発生の遅滞が認められたが、来年度はさらにArhgef15-KOマウスにて虚血性網膜症モデルを作成し、病的網膜血管新生の変化を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、マウス網膜血管モデルを用いて、血管内皮細胞に発現するグアニンヌクレオチド交換因子Arhgef15の機能を明らかにした。また、培養血管内皮細胞を用いた研究により、Arhgef15を介する細胞内シグナル伝達機構を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、Arhgef15を標的とした低分子化合物を探索し、臨床応用の可能性を検証する。また、血管内皮細胞におけるシグナル伝達機構のさらなる解明を進めることにより、新たな創薬標的分子を同定する。
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[Presentation] 網膜血管の再生2011
Author(s)
植村明嘉
Organizer
第50回日本網膜硝子体学会総会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都)(招待講演)
Year and Date
2011-12-04
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