2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞を用いた歯関連組織の分化メカニズムの解明とその応用
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22689050
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
園山 亘 岡山大学, 大学病院, 助教 (40325121)
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Keywords | 幹細胞 / 前駆細胞 / 分化メカニズム |
Research Abstract |
本研究は,(1)歯の分化・未分化維持メカニズムの解明,および(2)エナメル質・象牙質複合体,象牙質・セメント質複合体の作製を目的としている. 本年度は,(1)に関して,共同研究先から不死化したラット歯原性上皮由来の上皮細胞およびマウス歯髄由来間葉系細胞を不死化後,セルソーターにてside population(SP)細胞のみを回収した未分化マウス歯髄由来間葉系細胞(以下,SP細胞)を入手し,上皮細胞と間葉細胞の混合共培養,透過性膜を使用した分離共培養での実験系の確立に努め,安定した実験結果が得られるようになった.更に,今年度はヒト歯原性上皮細胞と歯原性間葉細胞のcDNAマイクロアレー解析を行い,いくつか興味深い因子を抽出することができた.次年度は,in vitroでの実験系で,抽出された遺伝子の機能解明を行なっていく予定である。 (2)に関して,これまで口腔内から採取された様々な幹細胞を用い,エナメル質・象牙質複合体,象牙質・セメント質複合体の作製が試みられてきたがうまくいっていないのが現状である.そこで,今年度は新たな幹細胞の探索を行い,抜歯窩治癒組織から未分化な間葉系細胞を単離することに成功した.この技術はこれまでの幹細胞採取技術と比べ,簡便かつ効率よく採取できる画期的な技術である.また,興味深いことにこれらの細胞とβ-TCPを混合し,免疫不全マウス背部皮下に移植することでβ-TCP周囲にシャーピー繊維様組織が入り込んだ硬組織が形成されている像が観察された.次年度はこの細胞を応用し,象牙質・セメント質複合体の作製を試みる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は上皮細胞の培養に困難を伴ったものの,共同研究先から歯原性上皮由来の不死化細胞株を入手し,良い実験系を構築することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ゲル内での再構築など,今後の計画には,手技的に困難な内容が含まれる.適宜,協力研究者とディスカッションならびに手技の確認を行いつつ研究を遂行する.
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Research Products
(3 results)