2011 Fiscal Year Annual Research Report
サービス利用者-援助者間関係の変革と協働のための技法研修プログラムの開発
Project/Area Number |
22689056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 有紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10292616)
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Keywords | ピアサポート / 医療・福祉 / 関係性 / 利用者援助者関係 / Intentional Peer Support / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、精神保健医療サービスの利用者と援助者の関係性に焦点を当てた対話、関係性の構築に対する理論的理解と技法の習得を援助者に促すような考え方を提供する方法を開発することである。関係性に焦点を当てるにあたり、特に相互に学び合う関係を意識し実践するIntentional Peer Support(IPS)が有用と考えた。 平成23年度には平成22年度に引き続き、IPSを含め、1980年から2010年までに発表されたピアサポートに関する研究をシステマティックに検索し概観した。その結果、ピアサポートは、(1)雇用されているピアによるサポート、(2)ピア運営プログラムによるサポート、(3)自助グループによるサポートの大きく3種に分けることができ、ピアサポートの効果や影響を探る研究は、3種のうちでは雇用されているピアに関する研究が多いことがわかった。サポートを提供する側と利用する側の関係に着目すると、質的研究として雇用されているピアによるサポートを受ける人への効果や、提供する側(ピア)の感じるジレンマに関する研究が複数あり、相互性が高く、支援の方向性が一定でない自助グループなどのタイプのピアサポートの効果や特徴の表され方との違いが見られた。 本研究は、IPS研修会に参加した者やIPS研修会参加者などが継続して行っているIPS勉強会に参加した者への調査を通じ、IPSを学んだことやその実践が与えた影響を明らかにすることを目標の一つとしている。平成23年度は前年度に引き続き、IPSについて学ぶ勉強会に参加した者等によるグループディスカッションを行い、IPSを学んで感じたことや変化したこと、IPSについて思うことなどを話し合った。研究参加者は平成23年度は合計10名であり、参加者の了承を得て対話を録音し、分析を進行している。 また、本研究のもう一つの目標である、関係性に焦点を当てた対話を学ぶための予備的研修プログラム開発の一環としてIPS研修会を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者や研究参加者の協力を順調に得ることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、得られたインタビューデータの質的分析を進行中であるが、その分析方法については試行錯誤中であり、今後も最善の分析を実施できるよう検討を進めていく。
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