2013 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ上に現れる記号列に対する文法処理手法の開発とその応用
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22700002
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤芳 明生 茨城大学, 工学部, 准教授 (00323212)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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Keywords | 情報学基礎 / 形式言語理論 / グラフ理論 / アルゴリズム / 数式OCR |
Research Abstract |
平成25年度の成果としてもっとも大きなものは、前年度までの結果を更に一般化し、ラベル付き多重有向グラフに対し木オートマトンによって受理される全域木を発見する問題が線形時間FPT(Fixed Parameter Tractable)であることを証明したことである。ラベル付き多重有向グラフは、ラベル無しグラフ、無向グラフ、単純グラフの全てを一般化したグラフであり、これに対する結果は大変強力であるといってよい。つまり、本研究課題がこの数年で出した結果の多くを含むような一般化された結果となっている。この結果は、国際会議で発表予定であり、学術誌に論文を投稿準備中である。 応用研究として、これまでに開発された認識アルゴリズムと、数式OCR開発の経験と技術を応用し、化学構造式OCRの開発を引き続き行っている。日本の公開特許公報中には多数の化学構造式が存在するが、現在、手作業での電子化作業が行われており、時間と費用 が膨大なものとなっている。社会貢献の度合いは、数式OCRより化学構造式OCRの方が大きいのではないかと考え、開発の重点を化学構造式OCRにおくこととした。 また、新しい応用研究として、マルチモーダル書籍の開発に着手した。マルチモーダル書籍とは、「見えない2次元コードが重ねて印刷された紙の書籍を読む」と「2次元コード読取装置で対応する音声を聞く」という動作を同時に行い、視覚と聴覚を複合的に用いることで、効率的な読書を可能とする紙の書籍である。高齢者や読字障害者だけでなく、一般の人々にも新しいスタイルの読書を提案するものである。OCRの技術を応用し、マルチモーダル書籍の半自動作成システムを完成させた。これは、PDFファイル等の文章に対し、レイアウト解析、文章自動抽出、読みの付与、音声合成等を半自動的に行うものであり、効率的なマルチモーダル書籍の作成を可能にする。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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