2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22700007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永野 清仁 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (20515176)
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Keywords | 組合せ最適化 / 数理計画 / 離散凸解析 / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究では離散的な対象に関する最適化理論である離散最適化(または組合せ最適化)を扱う。離散最適化において、連続の世界の凸性と対応する概念として劣モジュラ性がある。劣モジュラ性はn次元0-1ベクトル全体の上での凸性と、ある意味で等価であることが知られている。劣モジュラ関数は凸性の文脈のみから重要というわけではない。応用数学の様々な場面で現れる基本関数であり、ネットワーク理論、ゲーム理論、、機械学習など多岐に渡る分野において重要性が認識されている。本研究では、離散凸性に基づくアルゴリズム理論の研究とともに、多くの分野で現れる劣モジュラ最適化およびその拡張の離散凸解析に関する応用研究に取り組んでいる。 人間関係やインターネット、道路網など、世の中の様々な現象は抽象的にネットワークとして扱うことができる。ネットワークにおいて密集した部分構造を検出する問題は、人間関係におけるコミュニティ検出やタンパク質問の相互作用の検出など多くの応用を持つ。我々の研究ではネットワークの密な部分構造を見つける問題を含む一般的な離散最適化問題である、サイズ制約付き劣モジュラ関数最小化問題を扱った。この問題は離散最適化領域ばかりでなく、機械学習の分野においても重要な問題である。この問題に対し、我々は効率的かつ厳密なアルゴリズムを提案した。本成果は河原吉伸氏(阪大),合原一幸氏(東大)との共同研究であり、機械学習の世界最高レベルの国際会議ICML2011に採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離散最適化の理論を基にしつつ、アルゴリズムの実際の計算量や実装の容易さなどの実用性を考慮に入れてアルゴリズムを設計することによって、「離散凸性」というキーワードの下で理論と応用をバランスよく主眼に入れたアルゴリズム研究の成果を出せている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般の劣モジュラ関数に関するアルゴリズムは、現状では大きなサイズの問題を扱うことは難しい。この弱点を克服するため、本研究では関数の内部構造を利用した高速なアルゴリズム設計に取り組む予定である。また、0-1上の凸性と対応する劣モジュラ関数ばかりでなく、より一般的な領域の上での離散凸関数の応用研究についても取り組む予定である。
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Research Products
(3 results)