2011 Fiscal Year Annual Research Report
永続的なネットワーク動的変動のもとで有効に動作する分散アルゴリズムの実現
Project/Area Number |
22700010
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 泰介 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20432461)
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Keywords | アルゴリズム / 分散システム / 分散アルゴリズム |
Research Abstract |
研究計画で掲げた4つのサブテーマ各々についての研究成果を以下に要約する 1.永続的な動的変化の下での局所分散近似アルゴリズム:生成木問題等の基礎的な問題について,アルゴリズムの時間計算量向上等の可能性について検討を行った.また,一昨年度に得ていた結果である自己安定生成木構成アルゴリズムの通信量改善についての成果について,その発展および一般化についての検討を行った. 2.分散データ構造の動的変化耐性の解明:昨年度に引き続き,動的環境におけるネットワークの分断耐性を持つ分散データ構造について研究を遂行した.昨年度の成果である,エキスパンダーグラフを用いた分散型木構造のロバスト化手法を国際会議論文として発表するとともに,その一般化(平衡2分木から一般の木構造への拡張)を行った.また,コンテンツ配信メカニズムの一種であるPub-subシステム向けのオーバレイネットワーク構成法について,そのアルゴリズム的側面について解析を行い,結果を得た. 3.個体群プロトコルモデルの計算能力解析:昨年度の成果であるリーダ選挙問題、計数問題への新たなアルゴリズムを,論文にまとめ刊行した(一部は現在投稿準備中). 4.自律分散ロボット群に対する分散アルゴリズム:主に一転集合問題、拡散問題等について得られていた成果を論文としてまとめ刊行した.また、悪意を持ったロボット(ビザンチン故障ロボット)が混在する環境における一点集合問題の可解性について,従来知られていたものよりもより強力な結果を得,国際会議論文として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部のテーマについては成果が未だ公表されていないものの,全体平均としてはコンスタントな論文発表が継続して行われており,一定の成果を得ているものと自認している.また,刊行されている論文の多くは,当該分野トップクラスのジャーナルに掲載されており,質的な面からも高い水準にある.
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Strategy for Future Research Activity |
サブテーマ1に関しては,進捗が若干乏しい状況にあるため,今年度中の成果を目指し重点的な研究活動を行いたいと考えている.そのほかのテーマについては,研究成果の面では収穫期にあり,現在の成果,およびその発展をを論文誌等で刊行することを中心に活動を行っていく予定である.
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Research Products
(11 results)