2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700026
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鵜川 始陽 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (50423017)
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Keywords | プログラミング言語 |
Research Abstract |
本年度は,複製に基づく実時間コンパクションを用いたごみ集めの実用性の評価に向けた実装と,実時間性を保証する境界条件の解明について研究を進めた. 実用性の評価では,当初はDalvik VMに実装することを予定していたが,Dalvik VMに搭載されているごみ集めは開発段階にあり比較する意義が小さいことから,多くのごみ集めが実装され,研究用に広く利用されているVMであるJikes RVMに実装することに変更した.本年度はまだ評価が可能な段階には至っていないが,実時間ごみ集めに必要となるフレームワークの実装は完了している.これにより,平成23年度に実装を完成させ,性能評価を行う見通しが立った. 実時間性を保証する境界条件については,まず,複製に基づく実時間コンパクションを効率よく使って空きメモリの断片化を解消する方法を提案した.次に,アプリケーションプログラムのモデル化を行い,提案した複製に基づく実時間コンパクションの使い方と,アプリケーションプログラムのモデルの上で,実時間性が保証されるようなごみ集めのスケジューリング戦略とパラメータの決定方法を提案した.これにより,最大使用メモリ量やメモリ割当ての速さといったアプリケーションプログラムの性質が分かれば実行に必要なメモリ量が計算でき,さらにアプリケーションの実時間性を損なうことなく,コンパクションを含むごみ集めを行うことができるようになった.実時間性の保証と,コンパクションによる空きメモリの断片化解消は組込みシステムに必須な要素である.
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Research Products
(2 results)