2011 Fiscal Year Annual Research Report
大規模障害に耐えられる広域分散アーカイバルストレージの実現
Project/Area Number |
22700029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 洋丈 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教 (00456716)
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Keywords | 分散ストレージ / 広域分散システム |
Research Abstract |
当年度においては,下記の二点に重点を置いて研究を実施した. 一点目は,インターネットトポロジーデータを用いた障害痕跡発見手法の構築に関する研究である.前年度は統計的な手法に基づいて特定の故障事例の検出能力の検討を行ったが,今年度はそこで得られた知見を踏まえ,インターネット研究に関する国際的な協同体であるCAIDAが収集した約8年分のデータに対して網羅的に検出手法を適用する実験を進めた.また,その実験の過程において新たに浮上した課題についての検討を進めた.その結果、新聞等で報道されるような大規模な障害事例をシードとして利用することで別の障害事例の候補を集取できるようになった.ここで得られた結果を利用することで,インターネットサービスプロバイダレベルでの大規模通信障害の影響をモデル化することが可能となる. 二点目は,本研究成果に基づいたデータ複製システムを実現する上での大きな課題となる,インターネットを介した大規模データ送信時のスループット予測技術に関する研究である.本研究では,クラウドコンピューティング環境を利用したデータ複製システムの実現を念頭に置き,仮想マシン環境下でのスループット予測のための技術的検討を複数行った.その中でも,Support Vector Regression(SVR)を利用することで従来手法と比較して大幅な予測精度の向上が得ることに成功したことが本年度の主要な成果である.その他にも,商用のクラウドコンピューティング環境の定量的な調査や,予測精度を向上させるための各種改善手法の検討などを行った.
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Research Products
(6 results)