2010 Fiscal Year Annual Research Report
センサネットワークのセキュアで効率的なデータ集約技術に関する研究
Project/Area Number |
22700066
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
面 和成 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特任助教 (50417507)
|
Keywords | センサ / 情報の完全性 / アグリゲーション |
Research Abstract |
センサネットワークにおいては,電池で駆動するセンサノードの消費電力を抑えることが重要である.その一方で,センサノードに改ざん・なりすまし防止のセキュリティを実現するためには,その通信や演算にかかる消費電力が必要である.とくにセンサノードの消費電力を抑える有効な手法として通信量を削減するセキュアアグリゲーションが盛んに研究されているが,従来の研究や方式には様々な問題があった.そこで本研究では,それらの問題を解決して,効率の良い方式を提案しかつ理論的または実験的な評価を実施する. 初年度の平成22年度は,差分チェックに基づくセキュアアグリゲーション方式の構築に関して研究開発を実施した.この方式の基本的なアイディアは,ノードXが集計を行うと同時に子ノードYのセンサデータをチェックできることであった.さらに,TESLA認証方式というハッシュ関数ベースの非常に効率的なブロードキャスト認証方式のアイディアを用いて,集計フェーズと確認フェーズを同時に行うことを可能とし,基地局と各センサ間の1回のアグリゲーションにかかる通信を従来の二往復から一往復に削減することに成功した.より具体的には,センサネットワークを木構造として階層化し各ノードが全て異なるMAC(メッセージ認証コード)の鍵を持つように設定する.そして,これらMAC鍵がTESLA認証方式で用いられるハッシュチェーンの各要素(ハッシュ値)に対応しており,これが集計を行うと同時にセンサデータをチェックできる仕組みである.各ノードは子ノードのセンサデータをチェックでき,かつ改ざんを行えないため,集計値の保証点が末端ノードから基地局まで一つずつ移動きれることになる.この研究成果は,2本の国際会議及び4本の国内会議で発表された.
|