Research Abstract |
高齢者などの情報弱者が高度なサービスを享受できるための情報環境の構築を目的とし,今年度は,1.進化・発展フレームワークにおける情報システム進化・発展機構の設計,2.進化・発展フレームワークにおける従来型サービスの利用支援機構の設計,3.評価用情報システムの開発,の3点に焦点を当てて研究開発を推進した.1に関して,前年度のプロトタイプを強化・拡張し,情報システムの監視機能,進化・発展的操作機能,自動評価機能を備えた製品版の設計・実装を進め,評価実験によりこれらの諸機能の有効性を検証した.実験結果から,情報システムの監視による不安定エージェントの早期発見や,組織再構成の高速化が達成されたことを確認した. 2に関して,現存の多数のソフトウェア/アプリケーション/Webサービスを有効活用するため,これらと情報システムが相互連携するための仕組みについて検討を進め,支援機構の設計・実装を実施し,以下の2つの相互連携を支援することに成功した. (S1)情報システムと,情報システムとは処理系が異なる多種多数なエージェントシステムの連携:エージェントリポジトリを用い,提案フレームワーク上で動作するDASHエージェントと,OMAS/JADEプラットフォーム上のエージェントの動的な組織化を実現した. (S2)情報システムと,非エージェントシステムの連携:提案フレームワーク上で動作するDASHエージェントと,大規模分散処理フレームワークHadoop上で動作するMap-Reduceプログラムとの連携を実現した. 3に関して,分散バックアップシステムを設計・試作した.本システムは移動性を有するDASHエージェントを用いており,復旧用データを分散して保存するため,局所的な災害により全ての復旧用データが失われる可能性は低く,複数台の計算機の余剰HDDを上手く活用すろことも可能である.プロトタイプを用いて行った名工大-東北大における分散バックアップシステム利用実験により,提案手法の有効性を確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り,進化・発展フレームワークにおける情報システム進化・発展機構の実装・改良,評価用情報システムの改良を進めてゆく.なお,本研究は分散環境を対象としているため,評価実験については,他大学の研究グループとも協力しながら実施する.
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