2010 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークコーディングを用いた高信頼無線ネットワーク
Project/Area Number |
22700069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 崇弘 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50314381)
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Keywords | 高信頼無線通信 / ネットワークコーディング / マルチホップ無線ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では,産業機器等の制御システムを無線ネットワークで構成する無線ネットワーク化制御システムにおいて,システムを安定に動作させるための高信頼無線転送技術について検討している.今年度は,まず一般的な無線ネットワーク化制御システムにおいて,安定動作のための通信システムへの要求条件を制御理論の観点から検討した.その結果,無線ネットワーク化制御システムでは低パケットロス率と低遅延時間が要求されるだけでなく,無線ネットワークの通信品質を測定して動的に制御システムへとフィードバックすることが重要であることを明らかにした.この知見を基に,ネットワーク内部のリンク状態を推定するネットワークトモグラフィを用いた高信頼無線データ転送方式を提案した.本方式は,ネットワークトモグラフィによりネットワークを構成するリンクの通信品質を測定し,リンクの通信品質をコストとする最適経路を用いることによりパケットの到達率を向上させる手法である.さらに,本手法では,消失訂正符号とマルチパス経路制御方式を併用することにより低パケットロス率かつ低遅延でのパケット転送を実現している.今年度の検討では,ネットワークトモグラフィによりリンクロス率が理想的に推定できたとの仮定の下で,提案方式の基本的な性能評価を行った.具体的には,提案方式の限界性能を把握するため,制御システムに要求される遅延時間を拘束条件として,パケットロス率を最小とする経路を求め,遅延時間,パケットロス率の観点からの性能評価を行った.性能評価の結果,提案方式の無線ネットワーク化制御システムにおける有効性を明らかにした.
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Research Products
(7 results)