2012 Fiscal Year Annual Research Report
遅延耐性ネットワークにおける相対的な時刻同期方式の確立
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22700070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹部 昌弘 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10379109)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 時刻同期 / 平均法 / 遅延耐性ネットワーク / DTN / 疎密度モバイルアドホック網 |
Research Abstract |
過疎地や被災地などネットワークインフラが整備されていない環境下での通信の実現を目指した遅延耐性ネットワーク(DTN: Delay Tolerant Network)に期待が寄せられている.従来のインターネットではTCP/IP技術により常時エンドエンド間で仮想的なコネクションを確立することで即時型の通信を実現しているが,DTNでは移動端末のデータ中継によりエンドエンド間での情報伝達を実現しているため,通信の機会が限定的である.このとき,ネットワーク内の端末間で時刻の同期がとれていない場合,データ転送時の有効期限の判定が行えないなど通信そのものの実現が困難になるだけでなく,送信元エンド端末において発生した情報の発生時刻を受信先エンド端末で把握できないため,アプリケーションレベルでも問題が生じる. 本研究では,移動端末同士が遭遇した際に,互いの時刻情報を交換し,それらの平均にそれぞれの時刻情報を調整する,平均法による時刻同期方式に着目している.このとき,単純平均を用いた場合,ネットワーク内の各端末の時刻をそれらの平均値(参照時刻)へと収束させることができることがわかった.さらに,収束までに要する時間が端末のクロックオフセットと端末間の遭遇率によって決まること,収束時に達成される同期の精度(参照時刻からのずれ)が端末のクロック速度と端末間の遭遇率により決まることもわかった.このうち収束速度については,遭遇率の高い端末の保持する時刻情報がそれ以外の端末に比べてより確からしいという点に着目し,遭遇率により決まる重みを用いて端末間で時刻調整を行う重み付き平均法による改善が可能である.収束速度を最大とする重みの割当方法およびそのとき実現される収束速度と同期の精度を数学的解析により導出した.また,最適重みの知見を元に,各端末が自律分散的に動的に重みを決定する方式についても検討した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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