2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタスネットワークにおけるプライバシ保護手法に関する研究
Project/Area Number |
22700071
|
Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
中村 嘉隆 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教 (40452528)
|
Keywords | ネットワークセキュリティ技術 / モバイルネットワーク / プライバシ保護 |
Research Abstract |
商業地域において,ユーザの位置情報などを用いたコンテキストアウェアなサービスの需要が大きくなっている.このとき,ユーザが自分の位置情報を完全にトレースされてしまうことはプライバシ的に問題があり,サービスのための積極的な情報提供がされない可能性がある.また,比較的小さな店からなるショッピングモールではコンテキストアウェアなサービスの提供基盤を店が自前で構築するのはコストが高すぎるため,モール全体で共有基盤を構築してサービスの提供を行うことが考えられるが,このサービスを自店の顧客統計データにもとに,条件を設定しながら行うような場合,共有基盤を通じて他店に顧客データが漏れてしまう可能性があり,こちらも積極的な利用がためらわれる原因となる.そこで本研究では,ユーザのコンテキスト情報,サービス提供者のサービス提供条件をそれぞれ外部に秘匿したまま,コンテキストに応じたサービスを提供できる基盤の設計を行っている. 本年度は,ユーザおよびサービスプロバイダそれぞれの位置情報について,互いに相手に知らせないままに互いの位置関係を把握するためのプロトコルの設計・評価を行った.このプロトコルではサービスプロバイダはサービス領域の境界線をn角形に近似し,ある端末の位置座標がサービスのn個の境界線に対してどちら側にいるかを,お互いの情報を開示しないまま,その判定結果のみを紛失通信を用いて交換する.また,時間情報やユーザ情報など保護すべきプライバシ情報を拡張するためのプロトコルの検討を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プライバシ保護を秘匿するプライバシ情報を複数種組み合わせた問題は,問題が複雑であり,提案プロトコルの拡張によるプロトコル設計には限界があったため,本年度計画期間内に全てのプロトコルの設計・評価を行うことができなった.
|
Strategy for Future Research Activity |
考案済みのプロトコル,特に位置情報を秘匿する場合のプロトコルについて,実際のユビキタス環境で利用する際の問題点を実装実験に基づいて洗い出し,それらの問題点を解決するようプロトコルに変更を加えるなど,プロトコルの実装面に力点をおいた研究計画に変更する.
|