2011 Fiscal Year Annual Research Report
大量のセンサデータに対する知的情報処理手法に関する研究
Project/Area Number |
22700079
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
今井 信太郎 公立大学法人岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (50510260)
|
Keywords | 計算機システム / ネットワーク / エージェント / スマートセンサ情報システム |
Research Abstract |
本年度は,大量のセンサデータをリアルタイムに分析し,様々なサービスに対応可能な汎用性の高いセンサシステムのためのエージェント知識の自律的変更技術の実装,および研究課題の評価用アプリケーションの開発を目標に,1.センサ情報処理のためのエージェント知識の動的変更技術,2.評価用アプリケーションの構築の2項目に関して研究開発を推進した. 1.センサ情報処理のためのエージェント知識の動的変更技術:昨年度の実装に基づき,エージェントがセンサデータ処理に用いる知識を,サービスやホストからの要求やセンサデータ解析結果などから獲得してネットワーク上に蓄積し,必要な場合に知識を利用する知識流通を通じて,自律的にセンサデータ処理知識を変更する機能を実装した.具体的には,センサデータ処理に用いる知識をシステムが動作中に自律的に獲得・蓄積する機能である知識獲得機能,センサデータ処理に用いる知識を必要な場所に適切に配置するための機能である知識配置機能を実装した.知識獲得機能では,センサデータを取得した環境とセンサデータ処理に用いる知識を紐付け,知識配置機能では,新たにサービスを提供する場合にその環境と蓄積した知識から適切な知識を配置する. 2.評価用アプリケーションの構築:昨年度に検討・整理した評価用アプリケーションの機能要件に基づき,昨年度実現した中間ホストにおけるエージェント指向センサ情報処理技術および1の技術の評価用アプリケーションである観測対象者の動作推定を行うプロトタイプシステムを構築した.プロトタイプシステムは,市販されているセンサノード,一般家庭にあるようなPCやネットワークを用いて構築した.実験の結果,本研究の提案手法により,システムの動作に与える影響を抑えつつ外部ネットワークへの影響が軽減されていることが確認された.以上の研究成果を国際会議1件,国内会議2件で発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進行は,年度の中途においては当初の予定に対してやや遅れがあったが年度末には解消されている.これは,評価用アプリケーションであるプロトタイプシステムの試作を行ったところ,当初の予測に反し十分な動作が得られなかったためである,このため評価が約3ヶ月遅延した.この遅れについては23年度末には解消されており,24年度は当初の予定どおりに研究を遂行する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
本申請研究の最終年度である平成24年度は,当初の予定どおり23年度に作成したプロトタイプシステムを用いた本申請研究の評価実験および総合評価を行う.評価実験では,本研究の提案手法である中間ホストにおけるエージェント指向センサ情報処理技術およびセンサ情報処理のためのエージェント知識の動的変更技術により,外部ネットワークへの影響を抑えた汎用性の高いセンサシステムが実現されることを示す実証実験を実施する.総合評価では,評価実験の結果から提案手法により外部ネットワークへの影響を抑えた汎用性の高いセンサシステムが実現されることを示す.また,本研究の限界に関しても明確化し,今後の研究課題を整理する.
|
Research Products
(3 results)