2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロジニアス型コグニティブ無線ネットワークのための自律分散型最適化手法の研究
Project/Area Number |
22700084
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長谷川 幹雄 東京理科大学, 工学部・第一部・電気工学科, 准教授 (50358967)
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Keywords | コグニティブ無線 / モバイルネットワーク / ヘチロジニアスワイヤレスネットワーク / 組合せ最適化 / カオス / 無線リソースマネジメント / IEEE1900.4 |
Research Abstract |
昨年度実装した異種無線ネットワークの自律分散型最適化アルゴリズムの有効性を検証するために,大規模ネットワークシミュレーションによる評価を行った.提案手法は,Hopfield型ニューラルネットワーク理論に基づいた最適化アルゴリズムであり,各端末上での演算と選択のみで,ネットワーク全体を最適化することが可能である.この手法の有効性を現実的な無線環境で評価するために,提案するコグニティブ機能を持つ端末と持たない端末が混在する状況等における提案アルゴリズムの有効性を検証した.その結果,自律分散型の提案アルゴリズムによって,無線リソース利用効率を向上させることが可能であることが示された.また,Hopfield型ニューラルネットワークを用いた分散型最適化アルゴリズムの性能を,Lebesgue Spectrum Filterを用いることで改善可能であることを示した. 本年度はさらに,異種無線を用いるヘテロジニアスネットワーク環境において,利用可能な無線リソースを束ねるアグリゲーションによるスループット向上について検討した.各々の異なる無線ネットワークの品質が,動的に変化する場合においても常に良好なパラメータ設定をするために,機械学習アルゴリズムに基づく最適化システムを提案した.これをプログラム実装し,ネットワークエミュレータを用いた実験ネットワーク,及び,既存の3GやWiMAX商用サービスを用いた現実のネットワークに接続して提案システムの性能の評価を行い,実験によって有効性を示した.このような機械学習アルゴリズムを用いたシステムのパフォーマンスを向上するには多数のトレーニングデータが必要となるが,これらを取得するためのデータ取得方式の設計と実装も行い,提案方式によってアグリゲーションシステムの性能を短時間で向上することも可能になることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的とした異種無線ネットワークの自律分散最適化は,アルゴリズムの構築のみならず,実装システムによる検証も進めており,基本的部分の研究はほぼ順調に進めることが出来ている.現在までの提案手法や結果は,既に論文,学会発表などで発表しており,特許出願も行っている.当初の目的としていた自律分散型最適化システムの実現はほぼ完成しており,システムの動作を更に向上するための細かな部分の最適化の段階に入っている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで順調に進めることが出来ており,今後は,昨年度後半に行った厳密最適化手法や学習システムを用いた手法に取り組み,引き続き,実ネットワークで動作する現実的なシステムの検討を行っていく.
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