2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700107
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藤吉 正明 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (20336522)
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / 情報通信工学 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続き、画像のための情報埋込法を検討した。検討している手法は、情報重畳による画像の歪みを回復不可能な方式である一方、画像の歪み、もしくは、重畳した情報を除去することで、原画像を復元可能なものである。今年度は、当初見込んでいたアプローチとは異なるが、研究課題の一つの解となりうる新たなアプローチを導入し、それに基づいた手法を開発した。また、その成果の一部は論文として公表した。 当初は、非可逆情報埋込方式と画像の歪みを回復する画像復元方式とを組み合わせることで、研究課題を達成する見込みであった。一方、新たなアプローチは、非可逆情報埋込方式ではあるが、重畳した情報を画像から除去することができ、その結果、原画像との差異を視覚的には識別できない画像を生成可能とするものである。換言すれば、画素値レベルでの完全な復元性を追求するのではなく、その制約を視覚的な復元性に緩和した。このアプローチの導入によって、方式の多様性や実現可能性が大幅に増加、向上したと考えられる。 新たに導入したアプローチに基づき、視覚的復元を可能な非可逆情報埋込法の一例を開発した。この手法は、重畳したい情報の量に応じて、原画像をあらかじめ非線形かつ適応的に量子化する。そののちに、可逆な情報埋込方式に基づいて、量子化画像に情報を重畳する。可逆情報埋込方式に基づいて重畳された情報は除去可能であり、その結果、量子化画像が復元される。この手法では、量子化歪みを低減する、新しい量子化法を開発し、導入している。なお、本検討の成果の一部は、論文として学会で公表した。また、関連する手法の開発や知見の取得もあり、その成果の一部も論文として学会で公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初見込んでいたアプローチに基づく検討は引き続き継続する必要があるが、研究課題の解の一つとなりうる新たなアプローチの導入によって、総合的には検討が順調に進んでいると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度新たに導入したアプローチに基づく、視覚的に復元可能な手法を引き続き検討する必要がある。同時に、当初見込んでいた画像復元を伴う手法も検討を継続する予定である。これらの検討にあたっては、関係する学会に参加し、関連分野を含めた研究調査や他の研究者との意見交換などが必須であり、また、それらの場での成果の公表も積極的に行なう。
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Research Products
(6 results)