2010 Fiscal Year Annual Research Report
高品質な生活を実現するための生体情報に基づく「人の疲労」分析手法の開発とその応用
Project/Area Number |
22700110
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
矢崎 俊志 電気通信大学, 情報基盤センター, 助教 (60454138)
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Keywords | 生体情報 / 人の疲労評価 |
Research Abstract |
本年度に計画した研究の主な内容は「人の疲労」評価アルゴリズムの開発とプロトタイプシステムの実装である.成果としても主にこの2点である.課題に対する実績は査読付き国際会議論文1件および国内研究会報告1件であった. 国際会議論文では,「人の疲労」を運動強度と運動時間から評価すること目指し,生体情報として観測した心拍数に基づいて運動強度を算出する手法について議論した.また,数名の被験者の協力を得て,日常における運動強度の変化を観測し,それを可視化する実験を行った結果についても述べた.この成果は,本課題が目的としている「人の疲労」の定量評価に対して1つのアプローチを示したものであり,今後の研究の足掛かりとなる重要なものである. 国内研究会報告では,心拍数から求めた運動強度に基づく「人の疲労」評価をより精密化するため,ストレスによる心拍数の変化と運動による心拍数の変化を区別する手法について議論した.ここでは,心拍数と同時に観測した加速度の変化により,ある時間に生じた心拍数の変化が体動によるものであるかどうかが確認できることを実験により示した.実験は面接試験等の高ストレス状態と日常との2場面で心拍数と加速度を測定し,これらの変化を比較するものであった.人の疲労は本研究課題が題材としている定量評価による客観的な基準だけでなく,本人がどのくらい疲労を感じているか,という主観的な基準でも評価することができる.この両基準の相関を明らかにすることは本研究課題の大きな目標である.特に人が感じるストレスは主観評価に対して大きな影響を与えると考えられる.この報告は,ストレスを考慮した上での定量的な疲労評価手法を開発し,上述の目標を達成する上で必要な成果である.
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