2011 Fiscal Year Annual Research Report
高品質な生活を実現するための生体情報に基づく「人の疲労」分析手法の開発とその応用
Project/Area Number |
22700110
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
矢崎 俊志 電気通信大学, 情報基盤センター, 助教 (60454138)
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Keywords | 人の疲労 / 生体情報 / 心拍数 / 身体加速度 / 運動強度 / 他覚的疲労感 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日常生活で人が発する生体情報からその人の生活状況を分析し,それを元に「人の疲労」を定量的に評価する手法を開発することである.本研究の成果により客観的な疲労評価に基づいて適切なタイミングで休養を促すことができるようになる.これは,鬱をはじめとした心疾病や過労の予防に役立つ. 人の疲労を評価する試みは以前からなされており,その手法には大きく分けて自覚的疲労感評価と他覚的疲労感評価の2種類がある.自覚的疲労感評価はアンケート調査やなど,本人の自覚に基づくものである.他覚的疲労感評価は人の生体反応速度変化を観測するテストや,加速度センサーを用いて観測した体動の頻度・大きさから,被験者の疲労感を客観的に評価する手法である. 本課題では一般的な他覚的疲労感評価の指標として用いられている体動の頻度・大きさに基づく運動強度評価だけではなく,心拍数に基づく運動強度を用いた疲労感評価手法を提案した.また,従来手法に用いられている加速度情報と,本研究が採用する心拍数に基づく運動強度を組み合わせた疲労評価手法も提案した.日常的な疲労の評価には,日常的な運動強度の観測が必要である.本研究では,装着者の心電位と加速度を同時に測定できる小型センサーと小型PCを用い,疲労評価に用いる運動強度および加速度変化を可視化するウェアラブルシステムを試作した. 評価実験として,被験者の同意を得た上で面接試験中の心拍数と加速度の変化を試作システムにより観測・比較した.比較結果から,疲労の評価においては,人が平常時より疲労を感じやすいと考えられる緊張の状態を考慮すべきであるという知見を得た.
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