2010 Fiscal Year Annual Research Report
共同作業時の協調的操作対象物を介した非言語的意図伝達過程に関する研究
Project/Area Number |
22700118
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
伊藤 禎宣 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 専攻研究員 (00395138)
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Keywords | 非言語対話分析 / 共同作業分析 / インタラクション |
Research Abstract |
本研究は、多人数共同作業場面における、非言語行為主体の意図伝達メカニズム解明を目的としている。立体構造物の開発や組み立てといった、音声対話やアイコンタクトなどの一般的な非言語行為要素の表出が少なく、物体操作自体などの触力覚による非言語的意図伝達が多く行われる場面を対象とする。このような共同作業現場では、視点の差異や物体形状理解の困難性が、意図表出や解釈の過誤の原因になっていると考えられる。そこで物体操作に伴う触力覚など多様な非言語モダリティを利用した、共同作業のインタラクションモデルを開発し、同モデルを用いて意図伝達不全状況を検出し、作業空間の安全・安心の確保に寄与することを目指している。本年度は、共同作業課題として、複数人での把持と操作が可能であり、モーションキャプチャによる操作記録か容易な形状の立体構造物を用意し、立体構造パズルの組み立て課題実施環境を構築した。立体構造物にはモーションキャプチャ用のマーカと、ひずみゲージを内蔵し、位置検出と同時に、把持行為等による応力も計測できる。また被験者の動作、視線、発話も記録する。非言語行為による意図伝達の成否を明確にするため、立体構造物の把持箇所を制限し、構浩物一対の位置合わせを行う単純化した課題を設定した。被験者2名を1グループとして、1名には組み立て方法を教示し、1名には教示を不十分なものとした。なお被験者は20代~30代の男性であり、計4グループで実施した。発話を制限して実施したことろ、視線や指差しのほか、立体構造物の強調的(意図的)移動による指示的非言語行為が観察された。計測、観察結果の分析を現在進めている。一方で、教示不十分な側の被験者による自己解決事例も散見されたた。このため、今後教示方法や被験者に与える情報量の制限方法について実験設定を再考し、再実験を行う予定である。
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