Research Abstract |
ユーザの状況や状態を取得し,直接的・間接的にユーザが所望する様々な情報を提示することが可能なアンビエント情報環境が注目されており,本研究課題では,特にユーザの置かれている状況や状態を認識する技術の確立を目指し,机上作業中のユーザ状況を,ユーザに意識させることなく認識するために,非装着型の入力デバイスとして特殊な椅子を試作・評価し,ユーザ状況の認識・推定を試みている.本年は,特にユーザの状況・状態を取得するための手段の確立を主題とし,センサを配置した椅子を試作し,評価実験によって評価することを目的とした.そこで,一般のオフィスチェアに対し,座面や脚など様々な位置に圧力センサや回転検知センサを配置したものを試作した.これらの装置の組み込みは,外観や座り心地に影響しないように配慮した.この試作器はセンサデータを100Hzで取得でき,そのデータはBluetoothを用いてPCに送信される.次に,予備実験を行い,アンケートや,実際の作業をビデオなどで記録し,代表的な机上作業や認識すべき机上作業として「突っ伏す」や「ほおづえをつく」など11種類を選定した.その後,評価実験として,8名の被験者に,実際に決められた動作を実施してもらい,その間のセンサデータを記録し,同時にその様子をビデオ撮影した.なお,識別にはSVMを用いた.その結果,一般のオフィスチェアでも先行研究と同様の姿勢認識率70%を達成できた.
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