2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウェブを介した投票行動とゆずりあいに基づく効率的な超大規模資源割当手法の開発
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22700142
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福田 直樹 静岡大学, 情報学部, 講師 (30345805)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エージェント / 人工知能 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までに実装を進めた複数ユニットオークションに対応したプロトタイプアルゴリズムおよびその電力割当モデルへの適用手法をベースにして,そのメカニズムの大規模シミュレータへの適用や,そのために必要となる大規模コンピューティングインフラ(クラウドや汎用グラフィックプロセッサ)の活用方法に一定の目処をつけることを,大きな目標とした.また,それらの必要に応じて,アルゴリズムやメカニズムの改良および性能評価を随時行うこととした. これまでに,複数ユニットオークションに対応したプロトタイプアルゴリズムの応用事例についての検討を進めてきているが,その応用事例の基礎的適用事例に対する実装性能の解析結果を中心に,可能な範囲で国内および海外の学会にて適切に成果の公表を行い,関連する研究者らからのフィードバックを得るとともに,その成果の応用の機会を少しでも広げられるように努めた. また,本研究と並行して,短時間で市場メカニズムを用いたアプリケーションを試作するためのインフラ技術として,ウェブ上の種々の技術を連携させることを可能とする基盤技術の改良と調整を行ってきた.本技術を,昨年度までに開発したプロトタイプアルゴリズムや高度大規模コンピューティングインフラ上で活用できるようにしていくとともに,2011年3月に発生した震災を経て未だ大きな課題となっている電力供給問題など,現在進行中の課題に対しての適用可能性を当該年度は前年より一歩踏み込んで検証した.具体的な適用対象については,その後の社会の要請とその時間的変化を十分に考慮して,柔軟に適切な選択をしていくようにとした.その一例として,エージェント間交渉技術など多くの既存のアプローチをうまく活用しながら,それらと本手法とを有機的に結合できるようにすることを引き続き検討し,その成果のとりまとめを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に生じた研究室としての運営形態の変更も当該年度には一定程度落ち着き,当初の予定に対しても,ほぼ期待した程度かそれ以上の成果を得ることができ,研究の遂行上も特に深刻な問題には陥らなかったことから,おおむね計画通り順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画自体に大きな変更の予定はなく,その要因となるような問題点についても現時点では特に確認できていないが,現在の社会状況に鑑み,大切な公金による研究であることを今まで以上に強く意識して,全力を挙げて研究に取り組む.特に,次年度は最終年度となるので,これまでの研究で得られた成果をその派生的なものも含めてできるだけ世界に広く公開できるようにするよう心がけると同時に,次の研究につながる新たな課題の発見にも取り組みたい.また,今日の社会状況に配慮し,無駄な物品の購入を行わないよう最大限の努力を払うとともに,消費電力の大きい機材の使用を控える,あるいは使用時間帯などを適切に調整する,などの配慮を研究遂行上も意識して行いたい.
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Research Products
(10 results)