2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700152
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岩田 一貴 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (20405492)
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Keywords | 曲線整合 / 平面曲線 / 形状解析 / パターン認識 |
Research Abstract |
本年度は曲線の再パラメータ化などの曲線整合に関する概念の数学的記述を行った.曲線は向きのある(有向な)ものと向きのない(無向な)ものに分類し,それぞれの種類の曲線を整合するための従来の手法を詳細に分析した.その結果,無向な曲線に対する整合アルゴリズムは,有向な曲線に対するそれよりもあまり発展していないことが分かった.その主な理由は,無向な曲線においては,曲率などの向きに基づく統計量が使えないことである.しかしながら,無向な曲線は,それを構成する点集合の要素の順序を与える必要がないので,有向な曲線より実用的な価値は高い. 無向な曲線で構成される形を無向な形という.無向な形の具体的な例は,物体の輪郭で,これは元々向きのない曲線で構成される.無向な形表現するための記述子は,近年,クラスタリングの手法をベースにしたものがいくつか提案されている.しかし,これらの記述子はスケール不変でないため,前処理として,対象とするすべての形の大きさを揃える必要がある.この前処理をスケール正規化と呼ぶ.スケール正規化は,整合される二つの形全体が相似ならば効果的だが,対応する形の部分が異なる大きさである場合には効果的ではないことが多い.したがって,この問題を解決するために,スケール正規化を必要としないスケール不変な形の記述子とその認識アルゴリズムの開発を行った.今後は,いくつかの形の公開データベースを用いて,開発したアルゴリズムと従来の手法との比較実験を行い,その性能を確かめる予定である.
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