2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22700152
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岩田 一貴 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (20405492)
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Keywords | 曲線整合 / 平面曲線 / 形状解析 / パターン認識 / 強化学習 / 情報理論 |
Research Abstract |
二次元形状は線描画もしくは物体の輪郭として記述され,その線または輪郭が点の集合として表されるものを無向な形という.近年,無向な形を表現するための記述子がいくつか提案されているが,これらの記述子の多くはスケール不変でないので,サンプリングによって形を生成する前に,対象とするすべての線画や物体の輪郭の大きさを揃える必要がある.この前処理をスケールの正規化と呼ぶ.スケールの正規化はもとの線画全体の形が相似ならば効果的だが,線画の部分が異なるスケールで描かれている場合には効果的ではないことが多い.そこで,本年度は,スケールの正規化を必要としないスケール不変な形の記述子とその認識アルゴリズムの開発を行った.形の整合と検索に関するいくつかの実験において,従来の代表的な記述子であるDistance SetとShape Contextとの比較を行い,開発した記述子とその認識アルゴリズムが優れていることを示した.この結果は,IEICE Transactions on Information and Systemsに掲載された. 本年度は,上記の成果に加え,強化学習の収益最大化についての情報理論的な解析を行った.強化学習については,将来,曲線整合に応用したい枠組みとして注目している.この解析では,強化学習の確率的逐次決定過程に対してマルコフ性,定常性,エルゴード性を仮定せず,それらの代わりに漸近等分割性を仮定した.その仮定により,従来の文献とはかなり異なる視点から収益最大化を解析することになる.結果では,収益最大化は典型集合と最良系列集合との重複により達成されることを証明し,収益最大化のための必要条件を満たす確率的逐次決定過程のクラスを明らかにした.この結果は,機械学習分野の代表的な国際誌であるNeural Networksに掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに研究の目的に関する2編の論文を雑誌にて発表しているから.
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Strategy for Future Research Activity |
無向な形の認識に関する研究を引き続き行う.具体的には,統計的形状解析に注目し,その解析の基となるランドマークと呼ばれる有限個の点が形の上に配置されていない場合に,それら適当に配置する方法を考える.
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