2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700157
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福水 洋平 立命館大学, 理工学部, 助教 (60467008)
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Keywords | 画像、文章、音声等認識 / 機械学習 / 認知科学 / システムオンチップ / 脳型計算 |
Research Abstract |
平成23年度は、疑似Fisher行列による顔認知について次の通り研究を進めた。 1.Boostingによる顔検出 LBPオペレータをはじめとする局所特徴に注目したHaar-like特徴量では、照明変動などの環境の外乱に脆弱であった。これに対して、環境光にロバストな顔検出を実現するために、Cannyフィルタを前処理とするインテグラルイメージ検出器をLBPオペレータによるカスケードBoosting構造に組み込み、高精度に検出できることを実証した。ここで得られた知見は国際会議に投稿を予定している。 2.Fisher行列による1:N顔認識 表情多様性に対する1:N顔認識アルゴリズムの研究として、PCAの固有顔行列とLDAのFisher行列による顔認識システムを構築し、表情多様性のあるデータベースに対し、ユークリッド距離ならびに相関係数を用いた評価を行うことにより、双方の本人排除率および平均候補者数を導出し、LDAに基づくFisher行列の有用性を示した。 3.環境外乱に応じた特徴識別 局所特徴に着目するLDPオペレータによる検出性能の改善を元に、LDPオペレータに対してGaborフィルタを適用したLGDPHS(Local Gabor Directional Pattern Histogram Sequence)オペレータを導出した。これを用いて入力顔画像からの年齢ならびに性別認証をSVM構築、性能を実証した。また、この認証システムを表情認識に発展させ、同じくSVMによって構築して、性能実証した。これらの成果をそれぞれIEEEならびに信号処理学会の国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で、顔検出におけるカスケード検出器の多様性にかかる性能改善、性能評価を明らかにしてきた。また、既存特徴量の比較評価と新たな特徴量の導出を進めてきており、表情多様性のある顔画像に対して1:N認証の高精度化につながる成果を得ている。一方で、カスケード並列における検出器の分化・退化プロセスの導出にあたっては、より多くの画像データベースに対する検出実験が必要と考えている。以上の理由により、研究計画の実施項目をほぼ順調に進めてきており、「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器の分化および退化プロセスを明らかにするために、より多くのデータ評価が必要である。研究推進をより加速するために、大学院生による実験作業補助を検討する。 当初計画では、FPGAなどの再構成可能な(Reconfigurable)LSIへの実装により階層疑似Fisher行列モデルの実証を行うとしていたが、現在AndroidやiPhoneといった組込システムの台頭とBeagleBoardなど高性能な組込開発環境の充実が行われてきている。本研究室においても、BeagleBoardを含む組込システムへの実装ノウハウも蓄積してきている。このような流れを受けて、階層疑似モデルの実証としては当初計画のFPGAに限定せずに、システムをより効率的に実装できる環境を選定することとする。
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