2011 Fiscal Year Annual Research Report
局所的適合度景観に基づく進化型多目的組合せ最適化手法の開発
Project/Area Number |
22700158
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 助教 (30511711)
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Keywords | 多目的最適化 / 遺伝的アルゴリズム / 局所探索 / 内挿交叉 / 外挿交叉 / 世代交代モデル / 雑音除去フィルタ |
Research Abstract |
多目的組合せ最適化問題のパレート最適解集合を効率的に探索するための,多目的遺伝的アルゴリズム(多目的GA)の汎用性の高い交叉手法,およびそれと親和性の高い世代交代モデルを開発することが本研究の目的である.具体的には,複数の目的関数のそれぞれのランドスケープの局所的特徴を考慮した交叉の開発に重点を置き,単一目的の組合せ最適化問題において,汎用かつ強力な交叉である内挿・外挿領域における多段階探索交叉を多目的最適化問題に拡張する. 本年度は多段階内挿交叉の相補的な探索として,局所探索をベースとした多段階の外挿交叉を併用することの有効性を検証した.設計空間が単純な多目的NKモデルを用いて検証した結果,多目的最適化問題において,内挿交叉+外挿交叉は内挿交叉と比較して,エピスタシスが高い複雑な問題ほど探索性能の大きな向上が得られることを示した.また,一般的な多目的GAの手法と比較して,局所探索をベースとした内挿交叉+外挿交叉は単一目的のGAで用いられる世代交代の枠組みのもとで,多様性,均一性および収束性の優れた解探索が可能であることを示した.ただし,非常に局所性の高い選択を用いているため,母集団内に劣解が多く残存し,パレート解への収束速度は非常に遅い.そのため,単一目的のGAの枠組みに対して,さらに多目的最適化の上位の選択スキームを用いて母集団全体の収束性の向上を図る必要がある. 実際の応用として画像処理におけるインパルス性雑音除去フィルタ設計に本多目的最適化手法を適用した.フィルタ設計では原信号保存性能と雑音除去性能がトレードオフの関係であるため,それらを目的関数とし,多目的最適化問題として解くことで多様な性能バランスのフィルタ群が得られることを示した.
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