2010 Fiscal Year Annual Research Report
網膜の順応機構を模倣した感度・空間特性順応型集積視覚センサ
Project/Area Number |
22700175
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥野 弘嗣 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30531587)
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Keywords | イメージセンサ / 順応 / ダイナミックレンジ |
Research Abstract |
本研究の目的は,生体網膜に学び,外界の視覚環境に影響されること無く常に画像認識に適した前処理済み画像を出力できる,小型・低消費電力な順応型視覚センサを開発することである.本年度は,幅広い照明環境下で安定して画像が取得するための,光センサにおける光-電圧対数変換,及び抵抗回路網を用いた実時間前処理を実現するための研究を行った. 光センサに複数の対数特性を実装するため,リセット端子に印加する波形の検討を行った.従来の線形変換では,画像取得開始時にパルス状の電圧を印加するが,本研究では,時間とともに対数的に減衰する電圧を印加することにより,対数特性を実現する.複数の対数特性実現のため,64種類のリセット用電圧波形生成回路を設計,製作し,この波形を利用してどのような光-電圧対数変換が実現されるのかを測定した.光センサに与える光強度と,センサ出力電圧の関係から,幅広いダイナミックレンジをもった変換特性が実現されていることを確認した. また,視覚環境に適した実時間前処理を実現するため,抵抗回路網を用いた空間フィルタリングの特性の検討を行った.CMOS回路によって構成された抵抗回路網を利用し,入力信号電圧及びゲート電圧と,空間フィルタリング特性との関係を測定し,ゲート電圧による空間フィルタリング特性制御の指針を設けた.画像読み取り時にゲート電圧を操作する事により,1フレーム時間内に,複数枚の平滑化フィルタ処理済み画像が得られることを確認した.
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