2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700181
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
右田 剛史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (90362954)
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Keywords | 照度差ステレオ / 3次元形状復元 / 非線形最適化 |
Research Abstract |
本研究は照明条件の異なる複数の写真から高精細な3次元モデルを推定する手法の速度・精度・安定性を向上させることを目的とし,今年度は下記のような成果を得た. 1.計算の主要部分の性能を改善するために,従来のように入力画像とモデルによって生成された画像の残差2乗和を最小化する代わりに,残差と光源方向の外積の2乗和を用いる方法を検討した.なお,外積の2乗和そのものは性能が悪化する場合があるため,これを改善するための正規化処理についても検討した.その結果,従来法ではうまく推定できなかった画像でも良好な結果が得られることを確認した.詳細はCVIM176研究会に投稿している. 2.上記の手法および従来法について,GPUやマルチコアCPUを用いた実装法を検討し,計算速度を向上させた.この際,並列計算の効果が発揮されるようなアルゴリズムへの変更が必要であった.このような計算法・実装法の改良や,前項のような目的関数の変更によって探索初期の性能が大幅に向上した.一方,解付近の探索についての効果は十分ではないため,更なる検討を要する. 3.初期値の設定法や計算手順を改善し,探索が局所解に陥る可能性を減らし,形状推定を安定化した.これには,計算が不安定化する要因の判定を追加し,不安定な計算を回避する等の改良も含まれる.現状では計算手順は入力画像集合ごとに比較的細かい調整が必要であるため,このような調整を自動化するか,調整が不要な頑健性を持たせることが今後の課題である.
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