2011 Fiscal Year Annual Research Report
認識機構を指標として用いたロボット聴覚のための実時間雑音抑制技術の開発
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22700186
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松本 友実(阿部友実) 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (10570905)
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Keywords | 音声信号処理 |
Research Abstract |
本研究は,特に音声認識機構を搭載したロボットにおける外部雑音の抑制に焦点を当て,認識機構を用いた雑音抑制システム最適化技術の開発と当該技術を搭載した自律移動型小型ロボットの開発を目的としている.雑音抑制機構と認識機構を独立に動作させるのではなく,雑音抑制機構と認識機構を統合することで,従来無相関性や独立性などの客観的な仮定が難しかったような状況でのパラメータ設定が可能になり,ロボットへの応用のみでなく車載ナビゲーションシステムや生体認証などへの応用も可能な総合的な雑音抑制機構が構築可能になるものと期待される. 本年度は、平成23年度の研究計画である雑音抑制システムの汎用化の一環として、音声認識システムにおいて致命的な障害となりうる突発性をもつ雑音に対する本開発システムの性能評価を行った。具体的には本研究で用いている雑音抑制システムのひとつであるcross-TF ε-フィルタを用いた際の抑制性能を時間-周波数ε-フィルタの抑制性能と比較し、突発性を持つ雑音に対する開発システムの有効性について確認した。これについて、1件の国際会議で成果発表を行い、国外の研究者と議論を交わした。また、平成23年度の研究計画のもうひとつの軸である音声認識機構と雑音抑制システムの統合に関連して、雑音抑制システムである時間-周波数ε-フィルタのパラメータ自動設定に関する手法の考案および検討を行い、その成果を国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の計画は、大きく雑音抑制システムの汎用化と音声認識システムと雑音抑制システムの統合の2つに分けられる。前者については、環境雑音に対して有効な手法についての比較および検討を行った。また、後者に関連し、パラメータの自動設定に関する手法の考案および検討を行った。しかしながら、「処理の高速化」および「雑音抑制システムの音声認識機構との統合」について実装がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
雑音抑制システムの音声認識機構との統合に関して発生した、パラメータの自動決定に関する問題の解決を行い、新たなシステムを構築したのち、最終年度の計画であるシステム搭載のためのロボットの開発等に移行する。また、それと同時に実時間処理を行うための処理の高速化等にも取り組み、研究目的の達成を目指す。パラメータの自動決定については当初計画していたものとは別の手法を現在考案中であり、これを適用することにより問題を解決可能であると期待される。
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Research Products
(1 results)