2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700195
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
西本 博則 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (50463716)
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Keywords | 音声生成 / MRI / 高速撮像 / 声帯 |
Research Abstract |
平成23年度は超高速度MRI動画撮像による声帯振動の観測と分析のために開発した、声帯の微細構造に対するMRI画質の向上を狙った高感度MRI受信コイルの性能評価、および本研究で用いる超高速度MRI動画撮像技術の開発を行った。以下、各項目について報告する。 1.高感度MRI受信コイルの性能評価 高感度MRI受信コイルは、他の発声器官と比較して微小である声帯のMRI画質の向上のために、形状を小型化し、頸部に沿って湾曲させることで撮像対象にMRIコイルをできるだけ接近させられるよう設計したコイルである。今年度は本研究で開発したMRI受信コイルと市販のMRI受信コイルによる喉頭領域の静止画のMRI撮像を行い、MRI画像のSNRおよび輝度ムラの比較による性能調査を行った。その結果、本コイルを使用することによるMRI画像の画質の優位性が確認された。この結果は日本音響学会2011年秋季研究発表会にて報告した。 2.超高速度MRI動画撮像技術の開発 本研究で使用する超高速度MRI動画撮像法の開発・性能評価を昨年度に引き続き行った。はじめに、撮像法の開発・改良の一環として、声帯と比較して大きな発話器官である舌に着目し、振動周波数も発生時の声帯振動よりは低い歯茎ふるえ音の撮像を行った。本撮像法は後処理による振動子の同一位相でのデータの収集、画像再構成を行う手法であるため、撮像回数をできるだけ多くする必要があるが、被験者の負担を減らすためにもできるだけ撮像回数を抑える必要がある。本年度は撮像法の改良と画像処理アルゴリズムの改善を行った。これにより舌の振動をMRI動画として捉えることができ、輪郭抽出まで行うことができた。この成果はInternational Seminar on Speech Production 2011で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の当初計画にある、声帯の微細構造に対するMRI画質の向上を狙った高感度MRI受信コイルについての安全・性能評価、および喉頭の撮像を終えており、これらの成果報告を行ったことから、順調に進展していると評価した。また、声帯撮像のための撮像法の構築についても順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度が最終年度であり、これまでの成果を発展させるべく高速度MRI動画撮像技術の確立を目指し、最終的な目標である発話時の声帯振動のMRI動画撮像を実現させるために研究を進めていく。 今年度は、はじめに複数断面における歯茎ふるえ音生成時の舌の振動を高速度MRI動画撮像法で撮像する。これには撮像技術のさらなる向上が必要である。この成果として、撮像手法の改良、および舌の振動様式の解明が見込まれる。次に、本研究で開発された高感度MRI受信コイルと高速度MRI動画撮像技術を組み合わせて、発話時の声帯振動のMRI動画撮像を行う。最終的に、これら成果をまとめて、公表する予定である。
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Research Products
(2 results)