Research Abstract |
本年度では,統御フレームワークとして,ネットワーク管理されたセンサ計測モジュール群に応じて,自動的にロボットの統御処理を行う部分の構築に取り組んだ.対象として移動ロボットを考慮し,昨年度た作成した環境センサとの協調による自己位置同定機能に加えて,センサ計測モジュール群からの環境地図の自動作成機能を作成した.さらに,経路計画方法として,自己位置情・地図情報とロボット用モジュールから取得したロボットの形状情報等と,センサモジュール群から推定した人の位置および,計測・蓄積された人の大量の移動軌跡群から統計的に人の移動を予測して,人を安全に回避する大域的な経路計画機能を構築した.加えて,簡易な経路追従コントロール機能を作成し,モジュール化することで,フレームワークとして完成させた.また,昨年度成果のセンサ選択のための枠組みを利用し,自動的に環境内のセンサと上記制御モジュールとの自動結合機能を構築した.ネットワークでのセンサとロボットのオンサイトでの結合・統御実験として,環境内に複数のレーザレンジファインダ,3D距離画像カメラ,床分布圧力センサの3種の異なるセンサを配置した環境を構築し,フレームワークを用いて,センサを搭載しない差動二輪型移動ロボットを持ち込み,目的地まで移動させる実験を行った.この際,フレームワーク上で,各モジュールは容易に構築が可能であることを確認し,また,同一のセンサでモジュールの再利用ができた.また,移動時には,ロボットの位置に応じて,範囲内のセンサを適切に選択し,自己位置を自動的に計算出来るだけでなく,環境内の人などを回避する移動経路を適切に生成し,目的地に向かうことに成功することを確認し,フレームワークの機能を実証した.このフレームワークは,環境センサとの協調による実空間におけるロボットサービスの実現の基盤の一部に貢献出来ると考えられる.
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