2011 Fiscal Year Annual Research Report
半構造化環境を利用したロボットの自律的環境モデル構築とタスクプランニング
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22700208
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 秀幸 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (70376656)
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Keywords | 知能ロボティクス / オントロジー工学 / 環境構造化 |
Research Abstract |
昨年度開発した視覚マーカはレンチキュラーレンズによって生じる1次元モアレパターンを活用したが,今年度はこれを拡張し,マイクロレンズアレイによって生じる2次元モアレパターンを用いた新たな視覚マーカを開発した.本マーカは昨年度のマーカよりも製造過程がシンプルとなり,今後の実用化により適したものといえる.また,従来のARマーカが苦手としていた正面付近からの観測においても,昨年度と同様,本マーカは姿勢誤差1deg未満の非常に高精度な姿勢推定が可能であることを種々の検証実験により実証した.位置・姿勢の情報は環境構造化の基礎であり,これを高精度化することによってロボットはより正確かつ細かい環境情報を取得することができるようになるため,本マーカは今後のサービスロボットのための環境構造化ツールとして非常に有用と考える.本年度はこのような物理的な環境構造化ツールの開発に加え,それをキーとしてロボットに与える環境情報を記述するための枠組みの検討を行った.ここでは,人間と共存するサービスロボットを指向し,人間の生活機能を記述する共通言語として最近注目されているICF(WHO国際生活機能分類)を応用することを検討した.さらに,このICFをロボットシステムで活用するべく,オントロジー工学の手法により計算機処理可能な形式に再編成する試みを開始した.こうした試みを発展させることで,人間の生活環境・生活機能を体系的に記述することができるようになり,ロボットが提供するサービスの機能を明確に定義することが可能になると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究目的は情報面における環境構造化の技術開発が中心であったが,その基礎となる物理的な環境構造化ツールの開発が予想外に進捗し,その開発を優先したため.
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Strategy for Future Research Activity |
物理的な環境構造化ツールである新型のARマーカをキーとし,情報面での環境構造化技術の研究を進める.具体的にはICF(WHO国際生活機能分類)をオントロジー工学の手法で再編成し,それをベースに人間の生活環境の記述と利用の枠組みを構築する.
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