2012 Fiscal Year Annual Research Report
音素識別システムの要素開発による大脳聴覚野理解の精緻化
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22700212
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 裕 山梨大学, 総合分析実験センター, 助教 (40516928)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 母音 / 大脳第一次聴覚野 / 持続反応細胞 |
Research Abstract |
本研究は,脳機能に基づく音素識別システムを構築することで,聴覚感性における脳機能の解明を目指すものである.神経生理学研究及び心理研究により得られた聴覚野に関する知識・実験結果を参考に聴覚システムとして構築するが,当面の対象として音素,まずは母音の識別を扱い,システムとして実用レベルの成果を得ることを目標とする. 平成23年度までに,第一次聴覚野神経細胞の特徴をソフトウェア上で構築したものへ,ヒトの母音(日本語母音/a/, /o/, /u/, /e/, /i/)を入力することで,その出力の違いについて調べ,その結果,母音ごとのホルマントの違いが,周波数帯域の異なる出力素子のスパイクの頻度の違いとして分類される出力が得られ,生理実験系と矛盾しない結果が得られた. 平成24年度はヒトによる聴取心理実験を行い,母音識別の要素開発を行った.具体的には,健聴者および難聴者に語音弁別検査を行った.その聴覚特性によって共通した母音異聴が生じる難聴者がおり,その原因究明のための波形処理技術(ACE-L処理:Amplitude-bandwidth Compression / Expansion method designd with Loudness)を開発した.その手法では,音声波形を健聴者または難聴者の聴力特性を重畳することで,ヒトの聴力特性に合わせた仮想的な波形を再現することができる.母音異聴が生じた被験者をモデルとしてACE-L処理を施したところ,健聴者をモデルとしたACE-L処理波形とは第2ホルマントに大きな違いが生じ,異聴を説明することができた.この結果は,平成23年度までの生理実験結果と第一次聴覚野をモデルとした結果と高い相関が得られるものであった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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