2012 Fiscal Year Annual Research Report
「睡眠の質」を表す感性語と生体信号との関連性の基礎的検討
Project/Area Number |
22700217
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70315282)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 睡眠の質 / 感性語 / 睡眠ポリグラフ / 睡眠段階 / 入眠と睡眠維持 / 心拍変動 / 記号力学解析 |
Research Abstract |
心理学的評価による「睡眠の質」を表す感性語と,生体信号の定量的解析による生理学的評価とを結び付けることを研究の目的として,今年度も,心理学的指標と生理学的指標の関連付けを行うためのデータの収集とその解析および評価を行った(8人4夜.ただし,1夜目は第1夜効果を考慮して,解析および評価に用いなかった). 心理学的データの収集としては,各実験夜が終了するごとに,被験者にはOSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)による睡眠の主観的評価を行ってもらった.睡眠ポリグラフによる計測データからは,睡眠図を作成した.得られた睡眠図に対して記号力学解析を行い,単語(睡眠段階が1エポック前と比べて深化した場合を2,等しい場合を1,浅化した場合を0で記号化し,3つの記号を1つの単語とする)の出現確率を算出した.その結果,OSA-MAの因子2(入眠と睡眠維持)の評価点が50未満(悪い)の場合と50以上(良い)の場合で,単語「202」(睡眠段階が「深化-浅化-深化」と変化するパターン)の出現確率がそれぞれ4.7±1.7%,1.7±1.6%となり,有意な差が認められた. 並行して,心電図(心拍変動)のみによる「睡眠の質」評価のスクリーニングとして,心拍変動の記号力学解析(RR間隔を1秒で補完し,その値が直前の値よりも大きい場合を1,小さい場合を0で記号化し,3つの記号を1つの単語とする)による睡眠段階推定の検討も行った.その結果,単語「101」「010」(RR間隔の変動が激しいパターン)の出現確率は覚醒が最も高く,睡眠段階が深化するにつれて出現確率が有意に低下した. OSA-MA版の評価(心理学的指標)と睡眠図のパラメータ(生理学的指標)との間に相関が認められたこと,心拍変動と睡眠段階との間に相関が認められたことから,生体信号による「睡眠の質」の客観的評価へのいっそうの可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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