2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700220
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三浦 久美子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (20548705)
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Keywords | 感性情報処理 / 感性データベース / 感性官能計測・評価 |
Research Abstract |
本研究は、異なる感覚モダリティであるi色彩と香りとの調和性に関して、予測数理モデルを構築することを目的とした。平成22年度は色彩と香りの調和予測式の検討を目的とし、4つの実験を行った。具体的に、まず香りの印象的次元の抽出と調和色の検討及び、色彩の印象的次元の抽出と調和香の検討を行った。次に、以上の実験で得た調和予測式の可逆性を検討する為、香りの調和色予測式の可逆的検討、色彩に対する調和香予測式に対する可逆的検討を行った。以上の結果を踏まえ、平成23年度は色彩と香りの調和予測モデルの確立を試みた。具体的にまず、香りの印象評定、色彩の印象評定、これらを統合した結果の各々に対して因子分析を施したところ、共通してMILD因子とCLEAR因子を得た。すなわち、色彩と香りは印象構造が比較的近似しており、同一次光で捉えることが可能なことが示唆された。次に、重回帰分析により2軸における色彩と香りの調和性を検封した。その結果、印象次元上で近距離の色と香りは調和関係、遠距離の色と香りは不調和関係との結論に至った。さらにこれらの予測式の可逆性を確かめた結果、殆どの予測式は比較的精度が高く、香りに対する調和色予測モデル、及び色彩に対する調和香予測モデルの構築が可能であることが分かった。 次に、色彩と香りの組み合わせるによる効果を、心理的、生理的側面から検討した。心理的効果としては、MILD因子、CLEAR因子の各軸上の色彩や香りの得点に着目し、調和度を段階的に組み含わせた場合の印象変化を検討した。その結果、調和度の高い組み合わせで、より色彩や香り本来の特徴を高める傾向を得た。生理的効果の検討に関しては、精神ストレスマーカーとして唾液中クロモグラニンAを用い、色彩と香りの組み合わせによるストレスからの回復度合いを検討した。その結果、調和度の高い組み合わせ条件下でより高いストレス緩和効果が得られた。
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Research Products
(4 results)