2011 Fiscal Year Annual Research Report
照明光および内装の色彩を考慮した空間の明るさ感評価法
Project/Area Number |
22700223
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山口 秀樹 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (60411229)
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Keywords | 照明環境 / 明るさ / インテリア / 輝度・色彩計測 / 相関色温度 / 色の見えのモード / 照度 |
Research Abstract |
■輝度・色度分布計の作成 目的: 心理量である空間の明るさ感評価値と,測光量である視野の輝度・色度分布との対応関係を検討するために,魚眼レンズおよびCCDカメラを用いた測光システムを開発する. 成果: 露出量の異なる10枚の画像を合成することで,0.1~10000cd/m^2の範囲で輝度分布を取得できた.またCCDカメラの出力であるRGB信号値から測色値であるCIEXYZ値への変換を線形にすることで,RGB信号値が最小値(0)近傍,最大値(255)近傍であっても誤差の少ない変換が可能となった.魚眼レンズを用いることで,上下方向および左右方向,180度の視野角で輝度・色度分布を取得可能である.得られたCIEXYZ値の分布から,xy色度分布およびu'v'色度分布を計算し,これらのヒストグラムを作成するプログラムを開発した.以上のシステムにより,視野の輝度分布だけでなく,色度分布も詳細に把握することが可能となり,視環境の印象評価に対する測光量分布の影響が定量的に評価可能となった. ■輝度・色度分布による空間の明るさ感評価値予測法の検討 目的: 上記の測光システムより得られた輝度・色度分布値を用いて,前年度評価した内装家具の色彩分布が空間の明るさ感に与える影響を定量的に評価する. 成果: 有彩色家具で構成された空間の明るさ感は,無彩色で構成された空間の明るさ感より高くなり,色モード境界輝度(BL)との関係においては,(1)式が成り立つ. 有彩色空間の明るさ感 ∝(有彩色空間BL/無彩色空間BL)^α …(1) さらに(1)式右辺は視野の幾何平均輝度(ピクセル輝度値の相乗平均:L_m)を用いて,(2)式のように表せる. (有彩色空間BL/無彩色空間BL) = (有彩色空間L_m/無彩色空間L_m)^β+C …(2) ここで定数Cの値は有彩色空間に用いられている家具の彩度が高いほど大きい値をとる.視野の色度分布情報のうち,u'v'色度図上での広がりに比例してCの値が変化することが示され,色彩が空間の明るさ感に与える影響を定量的に評価可能であることが示唆された.
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Research Products
(7 results)