2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700225
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
下斗米 貴之 玉川大学, 脳科学研究所, 科研費研究員 (50415361)
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Keywords | 共感 / 音楽 / 芸術 / 同時脳機能計測 / 近赤外分法(fNIRS) |
Research Abstract |
本研究では、芸術や知的作業を2人以上で鑑賞・行う際の情報交換が、相互の行動や脳内のダイナミクスに重要な役割を担っているのではないかという仮説を持って進めており、芸術を中心とした共感現象の神経基盤を明らかにすることを目的としている。特に音楽や芸術的な場面での行動実験や脳機能計測をおこなう。平成22年度は、まず音楽と絵画の鑑賞について注目して芸術の評価方法の開発を行った。また、2人で音楽を聞いた時の共感現象に注目し、機能的近赤外線分光法(fNIRS)を用いた2台同時計測による芸術鑑賞時の脳機能計測実験を行った。 『音楽・音響刺激の評価実験』:和音の評価に関する行動実験と音楽の時系列評価(SD法、一対比較)を行った。和音の評価実験では色へのマッピングを行い、非言語における関係性を明らかにした。特に脳機能計測実験のための予備実験として2人の被験者による音楽聴取時のボタンによる選好度評価の実験を行った。 『美術鑑賞の評価実験』:評価法の開発として、絵画鑑賞時(視線計測・評価)などの行動実験を行い、分析を行った。絵画鑑賞においては統計クラスタリング手法を用いて分析した。これにより、被験者のグループ分けや逸脱度の評価が可能となった。 『脳機能計測実験』:芸術鑑賞時の共感について調べるため、fNIRSにより音楽聴取時の2人同時で脳機能計測を行った。その結果、互いの選好情報により相互作用が観測された。この結果は、本研究で注目している共感相互作用の効果の存在を示唆している。
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