2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的に変化する多変量複雑システムの動画表現・構造同定・最適化工学への応用
Project/Area Number |
22700227
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 智也 茨城大学, 工学部, 准教授 (70408649)
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Keywords | データサンプリング / 非線形時系列予測 / リスク推定 / ポートフォリオ理論 / テクニカル分析 / 多目的最適化問題 / 複雑系 |
Research Abstract |
自然界に存在する多くのシステムは,多数の要素が複雑に相互作用する多変量システムである.システム全体の振舞いは複雑化し予測や制御が困難になり,近年の経済危機や大地震のような自然災害を引き起こす.問題解決のためには,システムの詳細を理解することが必要である.そこで動画表現により,人間が持つ高度な認知能力を利用したシステム分析手法を検討している. その基礎研究として,本年度はデータのサンプリング方法を再検討した.サンプリング方法を誤れば,いかに優れた分析を行ってもシステムのメカニズムを理解できない.本研究では特に,価格変動のようなジャンプ過程に対して最も適切なサンプリング方法を明らかにした. さらにシステムの同定技法に用いられる時系列予測法についても見直した.従来は,予測に対する信頼度(=自信)を定量化することはなかった.そこで本研究では,予測値と同時に予測が外れるリスクも算出し,予測が難しそうな時は予測を避けることで,時系列予測の安全性を向上させた.今後この技術は,決定論的システムの検定法としての応用が期待される. さらにこの予測リスク評価の実務的な応用として,金融工学におけるポートフォリオ選択理論やテクニカル分析(ボリンジャーバンド)に活用し,将来資産の新しい評価モデルを提案した.なお,ポートフォリオ選択問題は多目的最適化問題(MOP)の1例である.最適化問題の解法は多様にあるが,中でもカオスニューラルネットワーク(CNN)は単一最適化問題に対して効果的であるものの,MOPに適用された事例は無かった.そこで本研究では,CNNはMOPに対しても十分に効果的であることを確認した.今後はポートフォリオ選択問題など,実問題に対する効果を検証する,
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Research Products
(16 results)